何事も忙しすぎるのはよくない。
心身への影響や属人化の進行といった問題はもちろんよくないのだけれど、忙しさにはある種の"中毒性"のようなものがあるのが厄介なところである。
忙しすぎる状況が続くと、次第に慣れて順応してしまう。さらには、無意識のうちに"心地よい"とさえ感じ始めることがある。キャパ溢れ気味の状態で何とかするのを自分の役割や使命のように感じてしまい、根本的な改善も進まなくなる。
症状のひとつとして、本来はきちんと物事を進められる人でも「できなくても仕方ない」というスタンスになってしまうこともある。言葉には出さないが、忙しいのだから優先順位の低いタスクは多少締切を守れなくても仕方ないと思い始めたりする。たとえば勤怠の提出や社内の申請などが遅れたりとか。仕方がないなんてことはないのだけれど、自分に対して逃げ道を作り言い訳をしやすい状態になる。
周りも気を遣って、怒ってくれないどころか「忙しいなか申し訳ない」みたいな感じで配慮し始める。全く健全じゃないのだけど、忙しすぎると是正する動きも取りにくい。
こういった"忙しさ中毒"から抜け出すにはどうすればいいのだろうか。真面目で頑張り屋な人ほど陥りがちだと思う。組織的に蔓延してしまっていることもある。当事者だけでは抜け出しにくいので周囲からの指摘とフォローが必要な気はする。まあ中毒症状が出る前に早めに対処できるようにしつつ、状況を俯瞰して指摘してくれる役割を置くのがいいのかもしれない。