Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

鳥越氏のキャッシュレス言及記事を読んだ感想

タイトルのせいか批判の声が多いように感じた。周回遅れ感あるが、自分が読んだ率直な感想をまとめておきたい。

headlines.yahoo.co.jp

まず感じたのは、部分的に話を切り取ってまとめている可能性があるから何も言えないなということだ。タイトルにも文中にも"怒り"とあるけど、発言だけ見るとそんなに怒っているように感じない。むしろ、前段に"怒り"という単語をつけることによって、発言内容の本当の雰囲気が全くわからなくなるだけでなくむしろ読者にバイアスをかけているように感じた。もしかしたら「いやー変化が早くてついていくのに必死ですよハハハ」くらいのテンションだったかもしれない。

鳥越氏の肩を持つわけではないけれど、メディア自体も信用できないので、もっと真意や雰囲気が正しく伝わるようなインタビュー記事を出してほしいなと思った。

真実はわからないので、この内容が鳥越氏の本当に伝えたかったことを正しく記述していると仮定した上で読んでみたが、まあそういう考えも理解できるなーという印象だった。ちなみにこれは彼がどんな人格で過去にどんな発言をしてきたかというバイアスは一切排除して純粋に記事内の発言だけをそのまま読んだ印象である。

端的に言えば、現金とのメリットを比較した時に、キャッシュレス促進の動きはあんまり納得できないというものだった。わかる。俺も技術書典で同人誌売ったときはまだ現金が一番楽だなと思ったし、いまだにQR決済も読み取りめんどくさいと思ってるし、電池切れや何らかの問題で決済できないことに対する心配も頭の片隅にあったりする。

中国での体験もよくなかったね。WeChat payやアリペイを準備していかなかったら、逆に不自由を感じてイライラするだろうなと思った。

お釣り渡してもらった時に会話がある方がいいという話に関しては、東京で自分が生活していく分には理解できなかったけれど、もしかしたら過疎地域などでは高齢者のそういったコミュニケーションが非常に重要な役割を担っているのかもしれない。レジでやらんでもええやろ別の解決策あるんじゃないのとは思ったが、もう少し深堀りして聞いてみないと何もわからん。

もちろん現金にはメリットもある。現状日本で最も使える場所が多く信頼されている価値交換手段は現金だ。一方でSuicaの代わりにきっぷを買おうとは思わないし、高速道路を利用するときにはETCを使わず並んで現金のやり取りをしようとも思わない。

問題をどう解決して、どのような暮らしが待っているかは、実現しないとわからないことも多い。実際、自分はクレジットカードでの使いすぎが怖いと思っていたけれど、Kyashやマネーフォワードを利用することでほぼリアルタイムで利用額を把握できるようになったので今では何も心配していない。

キャッシュレスの話だけではなく、何かを改善する時には必ずメリット・デメリットがあり、その中で何を選択するかというプロセスの理解が重要になる。いろんな支払い方法が乱立して混乱するとか、電力供給止まった時にどうするのとか、過渡期は特に色々と不安点もあるよね。もちろんそういった問題もデメリットとして捉えた上で、他に解決策があるのか、それらを上回るメリットが本当にあるのかといったことを考えながら物事をよくしていくことに頭を使うわけだ。ただ、目的が伝わらないままにいつの間にか改革が進むと、なんでそんなことをしているのかと憤りを感じる人が出てくる。これは当たり前で、みんな違って、みんないい。

推し進めていっていつの間にかもう前の暮らしには戻れないくらい便利にするというやり方が多いし、その方がいいと思ってはいるんだけど、過渡期に困惑している層を馬鹿にするのはよくない。でかい声で反対してきたら「戦争だ」ってなるのはわかるが、「なんか急に変わっていって怖いよ…」という人に対しては、情弱や老害といった言葉で片付けるのではなくみんなで優しくフォローする方がいいんじゃないかなと思った。ブコメこわいよ。

繰り返しになるけれど、週刊ポストの記事自体を信用できていないのでこの話は全部推測からのイチ意見でしかない。タイトルに強めの"怒り"という言葉を使うなら、それ相応の内容にしてくれ。以上。