マネジメントを4年くらいやっている間に、何人かにEngineering managerや採用のリードなどの役割をお願いして担ってもらってきた。何か新しい役割をお願いする時に整理して伝えている項目を雑にまとめておきたい。
以下のようなGoogle docsを作って共有し、30分のミーティングで直接伝えて考えてもらうようにしている。タイトルは「◯◯さんにxxをお願いしたい」みたいな感じ。項目や内容は相手によって適宜変えてる。
これは何
- 「◯◯さんにxxをお願いして一緒にやっていきたいと考えています」みたいな感じでストレートにお願いしたい役割を書く
- 「命令ではなく、なぜお願いしたいか、何をお願いしたいかなど◯◯さんに意思決定する材料を渡すためのdocsです」のようにまだあくまで提案ですよということも書く
なぜ今お願いしたいか
- プロダクトや組織の状況も踏まえて、"今"お願いしたい理由を書く
- その役割を担ってもらうことで事業や組織にとってどう嬉しいか、どういうインパクトがあるかという話も書く
- 他の選択肢を取らない理由もざっと書く
なぜ◯◯さんにお願いしたいか
- 1on1や普段の振る舞いで感じている要素などを交えて、なぜ"あなた"にお願いしたいかを書く
- こういうところが向いている/適性があるとか、こういう時にリーダーシップを発揮してくれていたとか、細やかなコミュニケーションを取れるところがよいとか、なるべく具体例とともに伝える
- 現時点ではチャレンジングかもしれない部分があれば正直にそれも伝え、サポートは惜しまないからお願いしたいという話も書く
◯◯さんにとってのメリット
- どういう経験ができるか、キャリアにとってどうプラスになりうるか、市場価値にどういうよい影響が出るかといった話を書く
- 特に、役割を担うことでどういう意思決定が求められて、それがエンジニアとしての厚みにどうつながると思うかとか
- 今まで聞いてきたwillと合致する部分があればそれも明確に伝える
- たとえば初めてマネジメントをお願いする場合は、やってみて適性があるかどうかわかるのもよいと思うという話をすることもある
- 正直このあたりは自分の考えを整理して伝えつつも、相手のキャリアのレールを引いてるみたいでちょっと傲慢に感じることもある。けど整理はしたほうがいいので明確にしてる
何をお願いしたいか
- お願いする役割の"ミッション"を言語化して書く。ここを明確にすると期待の齟齬も減り、担ったあと相手も自走しやすくなる
- マネジメントの場合は対象範囲やチームも書く
- "たとえば"こういう動きみたいな例をそのあとに続ける。ここはあくまで例だよということを強調してバイアスがかからないようにする
- 開始時期についても明記する
気になりそうなこと
- グレードや待遇がどうなるかなど、気になりそうなポイントを先回りして書く
- 期中で変わる場合の目標と評価の扱いとか。目標は新たに設定して基本は加点評価とするよみたいな感じで書いたりする
- 新しい役割でどう変わるか、どのくらい時間がとられるものかも想像できるように書く
- マネージャーの場合にはプレイングとのバランスはどう考えるかとかも。担当チームの成果の最大化のためにプレイヤーとして動くことがベストだと判断すれば、それは自由ですと伝えたりする
- 組織図上の扱いやレポートラインはどうなるかなども書く
- やってみてどうだったか振り返るチェックポイントをいつに設定するか、その結果によってやめるという選択もありかなども書く
次のアクション
- 明確に答えられなかった質問があれば宿題としていつまでに伝えるか決めておく
- いつまでに返事をもらうか決めておく
これらの項目を埋めながら自分の考えを整理して伝えると、内容はスッと理解してくれる。あとは相手に判断を仰ぐ感じ。
今のところ皆快諾してくれていて、これまで本当にお願いしてよかったと思ったことしかない。役割と期待を明確に伝えると、皆応えようとしてくれるのでありがたい。
まだ答え合わせをしたわけではないけれど、ドキュメントで伝えたメリットを本当に相手が享受できたのかは気になるところである。