Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

メンバー思い"風"マネージャー

自分は2020年に初めてマネージャーという役割になってしばらくの間、メンバーに寄り添う意識が強くてあまり職責を果たせていなかったと思う。「今思うと」という話で当時はそう思っていなかったのが黒歴史と言える。過去の自分のことを思い出しながら、この「メンバー思い"風"マネージャー」だった自分に向けたフィードバックを雑に書いてみる。


お前は"メンバーを守ること"が目的になっていて、経営や他部署との対立構造を自ら作ってしまっている。

たとえば、ビジネス上満たしたいリリースターゲットを共有された時、メンバーの負荷を勝手に想像して初手で噛みついてしまっているな。マネージャーとしてきちんと"断る"ことも仕事といった感じで、どこか使命感に近い感覚を持っていないか。お前がやっていることは、結果として経営との接続どころかむしろ最初のブロッカーのような立ち振る舞いにしかなっていない。

人事制度の変更アナウンスに対する対応も同じだ。メンバーと同じ目線で一緒に反論するように意見をしていたな。「メンバーが負担に感じそう」、「モチベーションが下がりそう」という感じで想像で動いているように見えるが、実際にどう考えているかメンバー個々人と話して確認しているか。まあ仮説を立てるのはいいが、その上でどう前に進めるかを考えないと意味がない。守ることを重視して"労働組合長"みたいな動きをするのは簡単だが、それがお前の仕事なのか。1on1で不満を聞いては「まあたしかにね」「俺はこう思うんだけどね」みたいな感じで同調し、余計に溝を広げていないか。人事の示す方針に対して、もしも自分の言葉で説明できないのであれば、事前に腹落ちできるまで人事や上長と話しておくべきだ。

そもそも、お前が思うほどメンバーを守ることもできていない。中長期的に見れば何も守ってないどころか、チームの評判も成果も下がり状況を悪くしている。過保護で気を遣いすぎ。保護者じゃないんだ。勝手に板に挟まるな。メンバーはお前が思うよりずっと自律できていて問題はない。自分が何でもフォローしないとダメだなんて思ってるのはお前だけ。放っておけばいいかさぶたを自ら引っ掻いて出血させているように見えるぞ。

マネージャーの責務は何かよく考えろ。メンバーのご機嫌を取ることじゃない。もちろんそういう観点を持つことは悪くはないが、引っ張られすぎてはいけない。そういう感覚も大事にしつつ、経営とメンバーをつなぎ、自分のチームとその隣接領域の成果を最大化することだ。独りよがりの使命感に駆られて、配下のメンバー以外の上左右と無駄に争うな。経営も横のチームも全てを救い成果を上げるジャイアニズムを持て。ただし、周囲の諸々まで全て自分の責任と捉えないようにだけ気をつけろ。

もともと最近までメンバーだったから気持ちを察して動いてしまうのはわかる。その気持ちも忘れずに脇に抱えつつ、マネージャーとしての成果とは何かを常に考えろ。「両方」やらなくちゃあならないってのが、難しくチャレンジングで面白く、そしてつらいところだな。覚悟はいいか、俺はできてる。


当時このとおりに言われたら、たぶんその日はショックで寝れなかったと思う。けど、これくらい言ってもらったらもっと早く軌道補正できたかもしれない。タイムマシンで未来ののび太が会いに来る話があったが、あれができたらいいなと思う。