相手に話が通じず物事を前に進めにくいと感じることがある。特に、階層化された組織の違うレイヤーの相手や他部署の相手の場合にありがちかもしれない。
そういう時はついついヒートアップしてしまい相手のせいにしてハレーションを生むような話し方をしてしまいがち。"相手が理解してくれないのは相手の頭が悪くて理解できないから"みたいな態度は相手に伝わり、関係がこじれてより一層物事を前に進めにくくなってしまう。
こういう時に感情的になってうまく対処できないのは解決のための引き出しが少ないのが原因なので、思いつく対処法を雑に書きとめておく。
いったん自責思考に切り替える
- あまりに話が通じないと感じると自分の方が賢くて相手が悪いみたいなスタンスになりがちなのでまずはリセットする
- 相手に勝とうとするのではなく、目的を思い出して相手も自分も勝つにはどうすればよいかを考えるよう切り替える
- ほぼ相手に非があることももちろんあるが、自分が100%悪いとしたら何ができるかと考えて、自分でコントロールできることに集中するほうが楽
何がどこからズレているかを見極める
- 目的の認識から揃っていないのか、方針に納得できていないのかなど、どこまで揃っていてどこからズレているのかを落ち着いて確認するのがよい
- 考え方の違いではなく、持っている情報量の違いが影響していることも多い
- 一つ一つ確認してみると、実はほとんど揃っていて枝葉のところで懸念点を強めの口調で主張してくれているだけみたいなこともある
話す場を変える
- 複数人いる場ではなく1対1で話すと驚くほど楽に対話できて前に進められることもある。あるいは逆に全体の場で話す方がうまくいくこともある
- オンラインではなくオフィスでオフラインで話してみるなども同じ。なんだかんだ内容自体以外の情報も大事
- このあたりは職種や相手のバックグラウンドによって違いがあるので、その違いを見極めて一番よい場を設定する
話す人を変える
- 自分から話すとうまく伝わらないことも、相手の上長やチームメンバーなど他の人から話してもらうとスッと伝わることもある
- 組織の力学を考えて、誰を巻き込むかを決めてみるとよい
- いわゆる"根回し"として嫌がる人もいるかもしれないが、程度の差はあれニンゲンが関わる時にはこういう設計は当たり前に必要なことなので慣れたほうがいい
話すシナリオを変える
- 同じことを伝えるのでも、伝える順番や見せ方を変えると相手の腹落ち度合いが変わる
- 特に相手が気にしているポイントが何かを理解してシナリオを変えてみるとよい
- たとえば増員の予算の話をする時に、いかに業務が逼迫してるかを熱心に話すよりも予算の変更度合いやROIを中心にまとめるなど、相手が気にする内容と順番に沿って話すほうがよいみたいな話
雑談しておく
- 話が通じない時は、そもそも信用されてなくて説明コストが高くなっていることがある
- 信用される実績を作っておくのが大事だが、雑に話ができる関係を作っておくだけでもだいぶ違う
- 自分と相手の状況や大事にしている考え方を知るきっかけにもなる
- こういう歩み寄る話は他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 がオススメ
- こういう関係性づくりみたいな話が影響するのは論理的じゃないと嫌がる人もいるかもしれないが、完全に論理だけで物事を前に進められることは意外と少ないので一定は必要
適切にフィードバックする
- どれだけ頑張ってもやはり相手の考え方やスタンスに問題があると感じる時には、適切に相手にフィードバックできるように動く
- できれば相手に直接伝えるのがよいが、だいぶ難しいので自分や相手の上長などに相談してどうするかを決めるのがよい
- その上で、社内のバリュー機能不全や採用時のカルチャーマッチの見極めなど構造的な問題があると判断した時には放置せずに対処する or してもらう
ざっと書いてみたが、自分もあまり引き出しが多くはない。
相手のせいにする以外の対処ができないとモヤモヤとイライラが溜まってしまって精神衛生上もよくないので、自分がコントロールできる引き出しを増やすことに集中する方がいいと思う。