仕事で「なんだかうまく話が通じない」「考え方が違う」と感じる時は、それぞれが見ているタイムスパンが違っていることが多い。どのくらいの期間で物事を考えているかをすり合わせてみると一気に話しやすくなったりするのでそのへんの話を雑に書いておく。
たとえば、1ヶ月後のKPIを意識して施策優先順位を考えている人と、3ヶ月後を考えている人とが話すと思いのほか議論が進まないことがある。文章で単純化するとちゃんと話して認識合わせればいいじゃんと思うかもしれないが、当事者になると意外と白熱してそもそも見ているタイムスパンがずれていることに気づかなかったりする。
1年後のことを考えて"今"からリアーキテクチャを進めたいという提案と、"今"は3ヶ月後の事業成果にしたいという意見などもタイムスパンの認識を合わせて見る景色を揃えるところから始めると話しやすくなる。両方とも"今"何をするかの話をしているが、いつ成果が出ると考えているかが揃っていないとなんだかうまく話が通じなくなってしまう。もちろんこの例の場合は揃えた後にも色々やることは多いわけだけれど。
自分がどのタイムスパンで物事を考えているかを意識し、他者がどういうタイムスパンの話をしているかを見極めるとよい。役割によって見るべきタイムスパンは異なる。むしろタイムスパンによって役割を分けているのはよい責務の分割なのではないかと思う。
経営は一番長いタイムスパンで物事を見ている。3年以上先を見ていることも多いと思う。マネージャーは半年〜1年後くらいを見るくらいがよいと思う。スタートアップだともう少し短いスパンになるかもしれない。 メンバーは3ヶ月〜半年に集中した方が動きやすいと思う。
1年先の話というのは、メンバーには伝わりにくい。しかしきちんと噛み砕いて少し先の未来を示していく必要がある。マネージャーが短いタイムスパンで物事を考えると、メンバーはさらに短いタイムスパンで考え視野が狭まっていきがち。見ているタイムスパンが違う人と話す時、考え方が違うと思ってしまうことがあるが、視線がどこにあるかタイムスパンの認識をそろえて話をしてみると色々な発見もあって面白いかもしれない。