誰かからの相談がなかった時、遅かった時、どうして相談してくれなかったのか、なぜ勝手に物事を進めるのかと憤りを感じることがあると思う。
自分の経験から言うと、相談されない時は相談を受ける側に理由がある。いや実際には違うかもしれないが、そう考えておいた方が楽。相手の行動を変えるより自分の行動を変える方が簡単だしコントロール可能だからだ。100%自分に理由があると仮定して物事を考える方が建設的である。
相談されなくなる理由は大きく分けて2つしかない。「相談する必要がないと考えている」か、「相談したくないと考えている」かのどちらかだ。
「相談する必要がないと考えている」
この場合、どういう時に相談をしてほしいか相手とすり合わせる必要がある。デリゲーションポーカーなどで権限委譲を見直したりしてもいいかもしれない。
目的とインパクトの大きさの認識があっていないこともある。まあこれも話すなり明文化するなりしておけば解決できる。
一方、話してすり合わせるのが難しいものとして、仕事を進める上でのスタンスの違いがある。たとえば「許可より謝罪」はわかりやすい。やってみてあとで修正していくという仕事の進め方が身に染みていない人にとっては、「勝手に物事を進められてやりづらい」という気持ちになるかもしれない。これは、組織文化レベルでどちらのスタンスでいくのを正とするか指針を決めておく方がよい。
「相談したくないと考えている」
一言相談した方がいいけれど、相談したくないなあと思われているというケースである。
相談したくない理由は多岐に渡る。相談される側はなかなか気づけないことが多いが、相談した結果「めんどくさかった」「何も進まなかった」「嫌な気持ちになった」など、これまでに何かあったことが多い。
この時、相談を受ける側の振り返りとして重要なのは「なぜ相談してくれなかったのか。もしかして相談しにくいと感じられているのではないか」と自省してみることである。全部自分に理由があると考えてみるのだ。実は常にしかめっ面をしていて怖がられているのかもしれない。いつも忙しそうにしていて相談する機会を見失っていたのかもしれない。あるいは、以前に相談された時に追い詰めるようなコミュニケーションをとってしまったかもしれない。
相談をしたいとまではいかなくとも、少なくとも相談したくないと思われないように自分のマインドや行動を変える必要がある。その上で、相談しやすくなるようなタイミングや空気を作る。そういった設計が相談を受ける側のスキルとして必要なのである。
色々書いてきたけれど、要はいつもニコニコして余裕を持っておくのが一番だいじ。慾はなく決して怒らずいつも静かに笑っている、そういうものにわたしはなりたい。