Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

めんどくさい作業を改善できるようになるには

めんどくさい作業にぶち当たった時、一気に改善してしまう人がいる。ガッと自動化したり仕組みそのものを変えたりしてしまうのだ。「めんどくさい」と心の中で思ったなら、その時スデに行動は終わっているのである。

たとえばコードレビューで都度同じ指摘をしだしたらLintとCIを整備したり、期限のリマインドを何度もしていたらリマインドそのものを自動化したり。CI/CDやBranch Protect Ruleを初期段階で整えるみたいな動きもそう。

こういう動きができる人とできない人の違いは、大きく次の4つの段階に分けられる。

1. めんどくさいと自覚できるか

1つめはスタンスの問題かもしれない。「もっとよくできないか?」「なぜこれをやってるんだっけ?」といった感じで今の運用を疑ってみるのが第一歩である。

よい状態を知っている方が当然自覚しやすいので、次の2とも密接に関係してくる。

2. めんどくさくない状態を知っているか

よい状態を知っているというのはかなり重要。これは経験ではなく知識でもいい。

日々勉強するのが大事なのは、知らないと選択肢にも上がらず解決策の幅が広がらないからである。書籍や記事、登壇資料などから日々吸収しよう。たいていのめんどくさいことの解決方法は、すでにインターネッツに知見が溢れてる。

3. めんどくさくない状態を経験しているか

経験してるというのは知っているのと大きく違う。

たとえばブランチデプロイがあった環境からない環境にいくと不便に感じて仕方ないかもしれないが、経験してないとまあこんなもんかと感じて止まってしまう。

めんどくさいことを自覚し改善したいと感じたとき、多くの人はコストと効果を考えると思う。「ひとつひとつの作業はめちゃくちゃめんどくさいわけじゃないしな」と考えて、「これ自動化するのにも結構時間かかるし今のままでええか」とやめてしまうこともある。

その検討自体はとても大事であるが、無駄なストッパーにもなりうる。経験していると、絶対にやっておくべきという強い気持ちを持ちやすい。快適な状態を"心"で理解できているので、やっちゃう判断をしやすいのである。

4. めんどくさくない状態まで変えていく能力があるか

最後に、やっていく実行能力があるかという点がある。

たとえば以前に仕組み自体を作ったことがある人なら、シュッとやってしまうこともできる。

個人的な考えで言えば、このできるかどうかという意味での"能力"は実はあまり重要ではない。もちろん内容にもよるが、改善するのにそんなに難しいことはない気はする。ゼロから発明しないといけないことも少ない。最近はChatGPTも強力に手助けしてくれる。どちらかというと"覚悟"の問題が大きい。暗闇の荒野に進むべき道を切り開いていけばよい。

強いて言うならタスクの調整能力はあるかもしれないが、これまで自分のまわりで改善を進めていた人たちはなんだかわからんが一気に解決まで持っていってしまうことが多かったように思う。「これでいいや」と思わないで、"怒り"とも言える勢いで一気に変えてしまっていたのも見た。そして改善したあとは、便利で元の状態には戻れなくなっていくのである。

人によってはめんどくさいと感じた回数などの閾値を決めていて改善するかどうかの判断が早いというのもあるのかもしれない。自分は決めてはいないけれど、3回くらい感じたらエイヤとやってしまうことが多い。

たぶん最初にガッとやる時は大変なのだけれど、5回くらいやるとそこまで大変じゃなくなってくる。自分の経験上、こういう改善をガッとやった経験は必ずなにか次に繋がる。GASを触れるようになったり、GitHub Actionsのナレッジが増えたり、積み上げで効いてくる。


めんどくさいと感じたら、コストと効果を考えるのも大事だけれどあまり小難しく考えずに一度エイヤと改善してみたらいいと思う。きっとやってよかったもう戻れないと感じることの方が多いんじゃないかな。

めんどくさいことを自覚し改善の選択肢を持てるように、日々情報を仕入れて爪を磨こう。なんとなく見たことあるなみたいな感じでインデックスを張れるようになると、色々なことが改善の山みたいに見えて面白くなると思う。