言った人と聞いた人の認識がずれやすい言葉というのがあると思っていて、その話を雑に書いておきたい。
自分はこれらを"要注意ワード"と呼んでいて、出てきたら真意を確認するようにしている。無意識的にやっている人は結構いると思うので、同じような"要注意ワード"の知見吸いたい。
リスク
「リスクがある」と言われたときは、何のリスクのことを言っているかを確認している。
たとえば何かの開発を1週間後にリリースしたい、と言った時に「いやーこれは結構怖いしリスクありますよね」みたいな話になったとする。ここでいうリスクは何を言っているのだろうか。なんとなく品質が担保しきれないリスクのことを言っているような気がするが、実は間に合わないかもしれないことをリスクと言っているのかもしれない。あるいは、チームメンバーのモチベーションが下がることをリスクと言っている可能性もある。
何のリスクのことを言っているのかすり合わせておかないとなんか話が噛み合わないなー進まないなーという状況になりがちなので、丁寧に確認したほうがいい。
◯◯感
「納得感がない」、「拒否感つよい」、「違和感がある」という言葉が出てきたら、どういう意味で言っているのかを教えてもらって一緒にもう何段階か言語化するようにしている。
◯◯感という言葉はよく使われるしなんとなくわかった気になりやすい。大事なのは、その感覚になる理由や条件にある。なぜ納得感がないのか、違和感はどこからくるのか深掘っていくと、何の話をすべきなのかが見えてくる。
nishiba=san のこれも完全に同意。すごくよい。
立場が上の人が唱えたら最強の呪文である「納得感がない」という反対を私はしない。また私との議論や私が直接見ているメンバーには禁止している。彼ら彼女らもある場面では立場が上になるだろうし、将来上の立場になるだろうし。…
— nishiba@Sansan VPoE/VPoP (@m_nishiba) 2023年11月5日
難しい
「難しい」や「厳しい」と言われたときは、難しいとどうなるのかを確認している。
たとえば「これできる?」と聞いて「うーん、難しいですね」と言った場合、これは「(難しいから) 時間がかかる」という話をしているのか、「(難しいから) できない」という話をしているのか、あるいは「(難しいから) やらない方がいいと思う」なのかわからない。
聞き手が勝手にできないと解釈してしまうみたいな場面は意外と多くてもったいない。言葉の続きから真意を確認して話していくとよい。
↓もこれに近い話かもしれない。
みんな
「みんな言ってる」みたいな言葉を聞いたときは、本当に全員なのか、ほぼほぼ全員なのか、観測範囲中の何人かなのかといった感じで確認している。
本当に全員ということは実は稀で、聞いてみると2~3人のヒアリング結果だったりする。これは少ないと悪いわけではないし、具体的に人の名前を上げていくのが大事なわけでもない。
推測で物事を解釈しようとすると正しくない方向に進みがちなので丁寧に確認するほうがいいという話である。
ちゃんと
「ちゃんと/きちんとしよう」という言葉は何も問題ないこともあるが、状況によって「ちゃんと」が指す状態を確認することがある。
「私なりにちゃんとやってるのに」とか、「ちゃんとやるよう何度言っても直らない」とか、無駄なすれ違いはこういうところから生まれる。
自分は1on1などでは聞く側としてどういう状態をイメージしているかを教えてもらうことが多いが、どちらかというと使う側が他の言葉で言うとどうなるかを意識するといいと思う。
違和感なく日本語つかうの難しい!リスク高いと思うからみんなちゃんとできるようにしていくのがいいと思う。