Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

議論を収束させるTips

何かを決めるゴールを設定した会議において難しいのは、議論を収束させていくフェーズである。

議論の抽象度の高さによって難易度は変わるが、収束させるにあたってここは抑えておくとよいみたいなTipsはあると思うので書き出してみる。

  • 決めることがゴールという認識を合わせる
    • そもそも決める場だという認識が揃っていないと収束させるのが難しい。会議のフォーマットに目的やゴールを明記しておくとよい
  • 最終的な決め方を決める
    • 最終決定者、時間、多数決などなんでもいいが、最後にどう決めるかを決めるのが大事。できれば議論が始まる前にやっておくと、議論中もそれを意識して進められるのでやりやすい
  • 決めるための材料の認識を合わせる
    • 判断軸とも言える。議論が何かうまくいかない時にはだいたいこのへんの認識が揃っていない。言葉に対する認識が揃っていないこともあるので齟齬をなくしておくの大事
  • 決めるための材料を今揃えられるかを確認する
    • 決められる材料が揃ってないのに話してこんでしまうことがある。これはよくない。そもそも決められる人がここにいるのかなど、今決められるんだっけと立ち止まってみた方がよい
  • 同じものを見ながら話す
    • 議論している内容をホワイトボードやdocsなどに書きながら、参加者の目線を揃えながら話すのが大事。論点をリアルタイムで整理するのが得意な人がいれば役割としてお願いするのがよい
  • タイムマネジメントをする
    • 決めるように時間配分を考え、決められるように進めていく必要がある。時間内に決まらないのであれば、途中で今回どこまで話して次のアクションをどうするか話すように切り替える方がよい

ざっと書いてみたが、何より大事なのはこれらを想定して適切な人と時間をおさえて事前に準備をしておくことだ。収束できるかどうかは議論が始まる前に決まっていると言ってもいい。

方針が浸透していない時のチェックリスト

チームの方針を伝えたはずなのにうまく伝わっていないということはよくある。そういう時、「前にも言いましたけど」みたいな話をしだすと不幸にしかならない。情報のやりとりは伝える側と伝えられる側双方の協力が不可欠だが、コントロールしやすいのは伝える側である。方針が浸透していない時に確認したいチェックリストを雑にまとめておく。

  • 理解してくれているか
    • 同じ言葉でも認識が違うことは多い
    • 特に方針はキャッチーな表現を使って抽象度が高いこともある
    • 具体も伝えて理解しているかどうかを確認すること
  • 納得してくれているか
    • 意義を感じていないと浸透しない
    • 説明する側が納得していることはもちろん、納得させられるまで話すこと
    • 方針の背景や議論の流れ、最終決定事項までアクセスしやすくして個々人が自律してキャッチアップできるようにしておくことも重要。いわゆる情報の透明性、フラットさ
    • どちらかに決めて進む必要があることも多いので、組織として「選んだ道を正解にする」「やっていき、のっていき」のような行動指針があるとやりやすい
  • 何度も伝えているか
    • 一回で浸透するわけがない
    • 説明する人が伝道師をやるか誰かにお願いして、浸透するまで言い続けること

人から相談を受ける時に気をつけること

誰かから相談を受けた時、後でよくなかったなと思うことがちょいちょいあるので雑に書いておく。 相談の種類や関係性にもよるので、たぶん違和感を覚える内容も含まれるとは思う。

  • 相手の話を聞く
    • 当たり前なんだけど、意外とできてないこともある
    • 自分の話を起点にしてはいけない。相手の話を聞くのが先で、自分の話は聞かれたらするくらいでいた方がいい
  • アドバイスが必要かどうかを見極める
    • 相談をされると解決のための話をしてしまいがちだが、そういう論理の話をしたいわけではないこともある
    • 例えば聞いてくれるだけで救われることもあるし、相談相手が感情的に怒ってくれることで自分が冷静になるみたいなこともある
    • 相手がアドバイスを求めているのか見極めた上で、アドバイスする場合にはバイアスをかけないように慎重に
  • 同調しすぎない
    • 共感と同調は違う。共感することは大事だけど、同調しすぎると相手の負の感情を増幅させることにもなる
    • 「つらかったね」はいいけど「そいつ最悪だね」はよくないみたいな感じ。まあ相談の内容にもよるけど、あんまりいい方向に進まないことが多い気がする
  • 終わり方に気を配る
    • どういう相談であれ、終わった後に相談しなければよかったという気持ちにさせないようにしたい
    • 相談内容は言語化しきれていないことも多いので、終わった後で「あんなことを言ってしまった」「相手にこう思われたかも」と不安になるかもしれない
    • 相談してくれたことに対して礼を言ったり、いつでもまた話しましょうと伝えたり、終わり際を大事に、少し過剰くらいに気を配った方がよい

これらは全てハンターハンターとバチェラーから学びました。

直接話す、すぐ話す

最近嫁氏とバチェラー4を見ていて思ったことを雑に書いておきたい。

第4話にて、ある女性が「バチェラーがこう言ってた」みたいな少し事実と異なる内容を他の女性陣に話したことで、バチェラーへの不信感が広がりだいぶ面倒なことになるという"事件"があった。

それに対しバチェラーがすぐに1人ずつ対話の時間を作り説明していたのを見て、結局これしかないよなあと思った。

種類や程度は違えど、組織においてこういうことはよく起こる。その時に重要なのは、関係する当人とすぐに直接話すことである。

例えば事業の優先順位に納得できないときに、説明を受けた者同士でああだこうだと話したりするよりも説明をした人に直接聞いた方がよい。

あるいは誰かの発言に棘を感じてモヤモヤした時は、本人に直接話して解消したほうがよい。

小さいところだと、Slackで「これ大丈夫かな」「どうなってるんだろ」みたいな懸念を書くときには関係しそうな人やグループに直接聞いたほうがよい。

ただ、これは個々人がそうしようと思ってもなかなか難しい話である。何か起きた時に直接話すには自分にも相手にもある程度のコミュニケーションスキルが必要だし、スタンスの違いによっては面倒くさいと捉えられがちだからである。

風通しのよさ、心理的安全性といった組織の状態によっても、直接すぐに話せるかどうかは変わってくる。「直接話す、すぐ話す」という行動自体を、行動指針で是とするような一定の方向性を決めておいたほうがいいのかもしれない。例えばdely社のバリューの1つであるHeart to Heartは、そういう話を含んでいると理解している。「直接すぐ話してみたら?」「〇〇さんに直接メンションしたらいいと思いますよ」みたいな会話が自然と出るような状態が作れるとやりやすい。

もちろん対人コミュニケーションでの解決に対して面倒くささを感じる人もいるとは思うが、自分の経験だと何だかんだ直接すぐ話すのが一番早いし楽なことが多かった。逆に推測だけで考えてしまったり、すぐに聞かずに溜め込んだりしたときの方が、振り返ってみるとより面倒くさい状況になっていたように思う。

自分に不信を抱いている複数人の女性とすぐに対話するというフォローをしたバチェラーはすげえよ。ハンターハンターと同じくらい学びのあるコンテンツである。

コミュニケーションのシナリオ

何かの共有や相談をする時に、文章の表現や伝えるタイミング、伝え方や伝える順番などがとても"上手い"と感じる人がたまにいる。

逆に下手な人もいて、そういう人を見ると"もったいない"という気持ちになる。そういう人は伝え方で損をしてしまっているだけで、内容についてはかなりよく考えて準備もしていることが多いからである。上手い人と下手な人の違いはわりと暗黙知になりがちなので、何が違うかを考えながら雑に書きなぐっておきたい。

文章のテクニックや声の抑揚、表情といった細かい要素はあるのだけれど、一番の違いはコミュニケーションをとる時のシナリオをどれだけ想定できているかだと思う。イメージとしては将棋やチェスで相手の手を読むのに近い。

「この話はSlackで伝えたら微妙なニュアンスが伝わらなそうだから直接話そう」とか「チームの定例で話すよりも1対1で直接説明した方がいいかもな」とか、それくらいのレベルのシナリオは誰しもが考えると思う。上手な人はそこからさらに細かくシナリオを立てているように見える。

「こういう伝え方をしたらたぶんこういう反応が来るからそのへんの内容も盛り込んで最初から伝えよう」とか「自分よりもこの人からこういうふうに伝えてもらって、たぶんその場でわからない疑問とか出るから自分が後で補足しよう」とか、そういう複数に分岐したシナリオを頭の中で色々想定して、いざコミュニケーションを取る時はもう半分答え合わせみたいな感じなのではなかろうか。

相手の持つ知識や情報を見極めた上で、感情や思考を何手か先まで読んでコミュニケーションプランを考えて取捨選択してるという話だと思うが、これができるのはセンスなのだろうか。伝える人、伝える相手、タイミング、伝える場などいくつか要素があるけれど、言葉の選び方は正直センスじゃないかと思っている。

センスは知識と経験によってある程度までは磨くことができるので、まずはシナリオを立ててからコミュニケーションをとる癖をつけるのが重要なのかもしれない。簡単なところだと、何かを相談する時に相手とのやりとりの数を減らすことを考えて、「こうきたらこう」という想定と検証を積み重ねていくと、だんだんと身に染み付いて"上手い"人になっていくのではないかと思う。

仕事のインパクトを大きくしようとすると人を巻き込む必要がある

マネージャーではなくとも、ある程度高い成果を期待されている人にはマネジメント能力を要求される。そういう話を雑に書いておきたい。

1人でガッと進められる範囲の仕事のインパクトには限界があり、あるレベル以上に達すると、誰かに何かを依頼したりチームを超えて足並みを揃えたりする必要が出てくる。

ここで要求される能力には、チームビルディング、ネゴシエーション、ファシリテーション、スケジューリング、ロードマップ作成といったものも含まれる。マネージャーロールではない場合、「これってマネジメントなのでは?」と感じることもあると思う。それに対する自分の答えは「Yes」である。仕事のインパクトの大きさを広げようとすると、マネジメントと同じようなスキルはプレイヤーにも必要になる。結局 Manage (なんとかする) 能力も技術と捉えて磨いていく方がよい。

つまるところ、いわゆるマネージャーとプレイヤーの違いは、チームのピープルマネジメントの有無でしかないのだと思う。キャリアを考慮してチーム構成やタスクを考えたり目標の設定をしたり、そういう人と向き合うマネジメント以外のスキルは、プレイヤーも身につけて発揮しないと高いレベルの成果は出せなくなる。

もちろん、そこでの進め方や調整のフォローアップなどはマネージャーにも相談する方がよいが、プレイヤーといえども人を巻き込んでその中でマネジメント能力を駆使する必要がある。まあ実際どの程度そういうことをしなければならないかは組織体制や役割にもよるが、仕事のインパクトを大きくしようとする時にはそういう能力が必要だという前提で考えておいた方がいい気はする。

マネジメント自体は全員が持って発揮するべき能力で、マネージャーだけのものではない。ただしピープルマネジメントは少し違った能力なので、そこはロールを分けてマネージャーにしているくらいの役割分担みたいな理解でいた方がいいと思う。マネージャーもプレイヤーもそこまで分けて考える必要はない。

一方で、マネージャーの方が様々なマネジメント能力を要求される場面が多いのはたしかである。そういう意味では、マネージャーからプレイヤーに転換した人は強い。一度マネージャーを経験した人はプレイヤーとしても経験を活かして影響範囲を広く持って高い成果を出しているように思う。マネージャーとプレイヤーを行ったり来たりできる組織こそが、もしかしたらすごく強いのかもしれない。

説明責任と信頼

仕事において、やる目的や内容が見えないとすごく憤りを感じることが人がいる。自分もたまにある。これは当然の感情だと思っている。

ROIの高い仕事をするには目的が何より大事だ。また、「わからない」「自分は知らない」という情報の非対称性に対する不安や嫌悪感は、誰しも持ち合わせている。これは物事を知り学ぶことによって生き延びてきた人類の本能と言ってもいい。いや、チョット言いすぎたかもしれない。

それを前提として、説明する側はしっかりと説明責任を果たそうと気を配る。いわゆる情報の透明性や風通しの良さというやつである。組織についてしっかりと考えているところはどこもすごく頑張っていて、それ自体もとてもよいことである。

一方で、説明をする側、受ける側という構図がなんだかよくないというか、フェアじゃないような気持ちになることもある。説明をする側を経験してきた方はわかると思うが、本人も正解かどうか自信がない状態で何とか説明していることも多い。

説明を受ける側は、ある程度ゆるく「まあ説明する方も大変だし一緒に補完していくか〜」みたいなスタンスでいる方がよい。その方が無駄にイライラしなくて済むし健全である。これは「相手に対する期待値を高く持たないこと」と捉えることもできるが、どちらかというと「ゆるい信頼」みたいな感じで接することができる状態が理想だと思う。

「まあよくわからないけどあの人なら何か考えてるだろ」とか、「このへんはたぶんそのうち説明されるだろ」みたいな関係性で仕事ができるとめちゃくちゃ楽。まあ実際にはそんなに信頼できないから憤りを感じるという話なんだろうけど、正しく細かく説明すること以前にそういう信頼の方が大事でレバレッジが効く。逆にいうと最低限の信頼がなければ、情報としては100点の説明内容だったとしても全体の納得度は低いという残念な話にもなりうる。

余談だが自分は15歳の時の出来事をきっかけにつよく感情的になることはなくなったように思う。姉には感謝している。

説明をする側も受ける側も相手へのリスペクトを大切に、そして次の曲が始まるのです。