Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

オンラインミーティングでカメラをONにすべきか

「オンラインミーティングでカメラをONにすべきかどうか」という議論をたまに見る。カメラをONにしたほうが視覚情報も得られてコミュニケーションを取りやすいので、"カメラON推奨" のようなルールを決めているところもあると思う。

自分は「カメラONじゃなくても反応を多めにすればいいとは思うけれど、結構むずかしいのでスキルがないならカメラONにしといたほうがいい」という意見を持っている。どういうことかを雑に書き出してみる。


実は自分の所属でも当初 カメラはできるかぎりオンにしよう という指針*1を作っていたが、3週間くらいやってみて変えた。

github.com

背景は Pull Request の description に書かれているとおり。サマリは以下。

  • カメラON"推奨"という全体指針は、強制力がないため結局ONにしない人も多くあまり意味をなさなかった
  • カメラONにしたい理由は表情などの"反応"の情報量を増やしたいからだとすると、参加者として"反応をする"こと自体を指針にしたほうがよさそう

ミーティングだけではなく、オンラインコミュニケーションでは自分の状況や考えをいかに齟齬なく伝えられるかが重要。カメラで顔を映すと、頷いたり考えたりしている反応が見えるのであまり工夫しなくても自然と情報量が増える。

逆に言えば、カメラに映す以外の方法で十分に反応を示せているのであればそれでもいい。コメントに随時反応を書いていったりemojiリアクションをつけたりといった、オンラインミーティングならではの情報量の増やし方もある。反応の情報量を増やすことが重要で、カメラONというのはその方法のひとつでしかない。

その上で、カメラをONにすべきかというと、自分はできればONにしたほうがいいと思っている。オンラインコミュニケーションはむずかしい。自分の周囲を見渡した感想でしかないが、カメラON以外の方法で多めに反応するというのは皆がすぐに身につけられるスキルではないように思う。かくいう自分も、十分な反応情報を示せる自信がないのでミーティングではできるかぎりカメラをONにしている。ミーティングツールにアバター機能があるならそれを使ってもいいかもしれない。

「情報量を増やしてほしいと思ってるのはファシリや管理者だけで、参加者はそこまで問題に感じていない」という意見もあると思う。一理ある。けどねぇ、感覚的には参加者も含めて皆少しずつ負荷がかかっているような気もするんだよな。

あと自分はもう慣れてしまったが、カメラに顔を出して話すというのは実はオフラインで会って話すよりも抵抗あるし緊張すると思う。特に、全員が顔を出していない場で一部の人だけが顔を出している状況はやりづらいかもしれない。そう考えると、カメラON"推奨"のような「できる人はやってね」的な打ち出し方はあまり機能しないと思う。実際に自分の所属組織では意味がなかった。やるなら0か100かのほうがいい。かといって、"強制"とか言われるのは嫌だと思う。

あまりむずかしく考えず、まずはよくミーティングをするメンバーの中で話してどうするか決めるのがいいと思う。たとえば、一緒にキャンプしたことがあるようなメンバー同士であれば正直どっちでもいいかもしれない。いきなり組織全体の指針とかで考えると大変なので、まずは小さく試してみるのがいい。

皆がカメラをONにするのが当たり前みたいな状態になると、正直何も感じなくなると思う。カメラをONにすべきかどうかといった空中戦の議論をするよりも、チームでワーキングアグリーメントを決める実験みたいな感じでまず2~3週間くらい全員カメラONにしてみて振り返るのがいいんじゃないかな。そのうえで、いくつかのチームの結果を集めてみて組織全体としての指針にした方がよいかを決めるのがいいかもしれない。