ブログなんて好き勝手に書けばいいと思うけれど、殺伐インターネッツを見ているとある程度"予防線"を張ることを意識しないといけないこともある。いろいろな考えの人が読むことを想定して文章の細かい表現をうまく工夫しつつも、短く簡潔にまとまった記事を見るとすごいなと思う。本筋とズレた指摘や意図しない突っ込みを減らすような"予防線"を適切に張れているのである。
そういったうまい記事を見ていると"予防線"にはいくつかのパターンがあるように感じるので、雑に命名してまとめてみる。パターン名はもっといいのがあると思う。
審判パターン ~ 注意書きを最初の方に書く ~
何か補足や注釈を入れたい時は、一番最初の段落の中に入れるべき。びっくりするくらい文章を読まない人はたくさんいる。タイトルだけしか読んでないみたいな人も多い。そんな中で、文章の途中や最後に注意書き入れてもマジで読んでもらえないので最初に書く方がいい。
表現としては、「念のために先に書いておくと〜」、「もちろん〜というわけではありません」、「補足しておくと〜」みたいな感じ。最初に書いておくことで、ちゃんと内容を読んでいない突っ込みを入れられた時もその人の解釈の問題と言えるし、「やることはやったしな」といった感じで気持ちの整理もできる。
先手自白パターン ~ 突っ込まれそうなことを自分から書く ~
インターネッツでは"馬鹿っぽい人"が叩かれる傾向にある。本当に馬鹿かどうかは関係なくて、馬鹿っぽいかどうかで判断される。たとえ色々考えた上で文章を書いたとしても、「考えが浅い」と思われたら突っ込まれるのだ。文章を書いている人は読んでいる人より10倍くらい物事を考えていると思うけれど、それを想像できずに文字面だけ読んで承認欲求に紐づく突っ込みを入れたがる人は意外と多い。 ref
これを予防するには、突っ込まれそうなことを自分から書いてしまうというやり方がある。表現としては、「もしかしたら〜と思われるかもしれませんね」、「自分も我ながら〜とは思ったんですが」、「ここはまだ突っ込みどころが多いかもしれませんが〜」みたいな感じ。記事の完成度に対する期待値コントロールといってもいいかもしれない。
裸の王様パターン ~ 突っ込みが自己批判につながるように書く ~
「毎日コードを書いている人はあえて書かなくてもわかることかもしれませんが〜」、「経験豊富な方ならなんとなく想像つくかもしれませんが〜」みたいな枕詞を入れておくと、そこに対して突っ込みをすると自分がそうじゃないと認めてしまうことになるという心理が働くのか変な指摘が減る。
もちろんこれはその後に続く文章がおかしくないことが前提なんだけれど、どうしても説明しづらい部分だったり育ってきた環境によって解釈がわかれそうな部分だったりすることもある。そういう時に使える小手先のテクニックと言える。ただし、突っ込み自体を過度に制限するのはよくないので多用しすぎないように注意。
巨人の肩パターン ~ 強い人が意見を言ってるリンクを貼る ~
仮に何か突っ込みどころがあったとしても、内容に関して著名な人がポジティブな意見を言っていると同調するような突っ込みが起きなくなるケースは多い。
たとえば新サービスの紹介記事を書く場合、「ありがたいことにユーザーのみなさまからもポジティブなフィードバックをいただいています」という感じの文章を入れた上で、Xで影響力のありそうな人が「これはいい」と言っているポストを3〜4個見繕って貼る。そうすると、その記事に対して否定的なコメントをする = ポジティブな意見を言っている人と反することになる、という意識が働くのか趣旨と関係のない指摘などが減る。第三者の論調を記事内に貼っておくことで全体の意見をある程度コントロールするイメージ。
非常にみみっちい話なようだが、世の記事を見ていると意外と効果があるように見える。ただし、これはやりすぎると多様な意見を拾いにくくなるし美学がないとも思うのでほどほどにした方がいいと思う。
ざっと思いつくのはこのくらいだろうか。読んでわかると思うが、あくまで小手先のテクニックである。内容を磨くことが一番大事なのは間違いない。その上で、公開する不安を軽減するテクニックとして役に立つかもしれないし、立たないかもしれない。
"雑にかく"というのは「こういう細かいことをあんまり気にしないで書くぞ」ということなのだが、パターンを書き出してみるとこれは 先手自白パターン
なのかもしれない。自分がここのパターンっぽいことを書いてたら、オッやっとるなと生暖かい目で見守ってください。
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