Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

何かを変える時に"有効期限"を決める

組織において何か新しいことを始める時、あるいは既存の取り組みを変えていく時に、「まずいつまでそれをやってみるか」という"有効期限"を最初に決めておくと進めやすい。自分の中であまり整理できていないので雑に書いておきたい。

前提として、組織を取り巻く内部/外部の状況はどんどん変わっていくので変化があるのはいいことである。変化がない方がやばい。

たとえば、組織体制の変更、出社/リモート方針の変更、会社のバリューの変更といった全体に関わることもあれば、会議体の再設定、1on1の開催頻度の変更、リードの新任といったチーム内での変化もある。

それらを一定の合意を取りながら変えていく時に、振り返るタイミングを作る意味で最初に"有効期限"を決めておくとよい。内容によっては、お試し期間、キャンペーン期間、消費期限 のような表現のほうがしっくりくるかもいいかもしれない。

何かを変える時にはエネルギーがいる。変化の先にどうなるかわからないことのほうが多いからである。反対意見を伝えてくれる人も、「実は自分自身も絶対に反対と言えるほどの自信はないんだけれど、ずっとこれでやっていくのはちょっと不安」みたいな状態であることが多い。反対意見の背景には、変えたら一生このままだと思われていたり、そうではなくとも一回決めたらもう変えにくいかもと感じられていたりすることがある。

そういう時に「まずここまで試してみよう」という有効期限を決められると、思い切った意思決定をしやすい。何でもかんでもやってみて試すのはよくないけれど、ある程度仮説と検証を重ねたらもうやってみるほうが早い。早く試して早く失敗して改善を重ねていくのが大事。そういったよい循環をまわす後押しとなる。

イメージしやすいのは会社のバリューや組織体制、出社/リモート方針の変更といった大きな変化だと思うけれど、チーム内での比較的小さな変化でも同じ。たとえば「まずは1on1の頻度を毎日にして2週間やってみて、1週間でもいいねとなるか見てみましょう」とか。Tech Leadをお願いするときにも「1年くらいは続けるほうがいいけれども、いったん3ヶ月やってみて一緒に振り返りをしましょう」とか。

自分の中で"有効期限"を意識しておくだけでもいい。たとえばマネジメントロールを依頼された時にも、「まず1年やってみる」といった感じで"有効期限"を設定してみるといいかもしれない。ちなみに自分は執行役員になる時に2年を期限に設定していて、解任されないかぎりは少なくとも2025年12月末までは続けてみるつもりでいる。期限が来たら終わりという意味ではなくて、あくまでマイルストーンを刻むために設定している。

そんな感じで、何かを変えてみる話をしている時に、「やってみるとして、有効期限どうします?」みたいな言葉が出てくると前に進めやすくてよいと思う。とはいえ、実際には期限をガッと決めて進めるのが難しい領域もある。たとえば人事制度など、規定上経営会議や取締役会の承認が必要になっているものは難しいかもしれない。このあたりは、"どういう組織にしたいか"という経営の意思が問われてくる。

また、タイミングを決めて振り返るには、有効期限以外にも判断軸や閾値を決める必要がある。この設定の方が難しいことが多いんだけれど、まずは有効期限を決めてから考えるでもいいかなと思う。

とりとめもない話になってきたけれど、ざっと整理できたのでここまでとする。アデュー。