Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

個人目標設定の手引きとシュート2万本

個人目標を考えるのは難しい。以前自分の思考整理も兼ねて、開発メンバー向けに"個人目標設定の手引き"をスライドにして共有したことがあった。

組織によって制度も解釈も違うのでそのまま適用できるものではないと思うが、もしかしたらどこかの誰かの何かの参考になるかもしれないので雑に内容を共有してみる。

ちなみに自分は 何のための個人目標設定? - Speaker Deck に書いたとおり、目標設定自体は必要だとは思っている。「そもそも目標設定なんて不要やろ」って意見も間違っていないが、雑にいうと"組織による"としか言えないのでそこは触れずにおく。

よい個人目標とは

『意義を自分の言葉で語れて、 日々の行動が変化する目標』

『意義を自分の言葉で語れるか』

トップダウン/ボトムアップどちらでも構いません。 かなり高い目標でもちょうどよい目標でもどちらでもいいです。 「なぜそれが今必要なのか」 「やることによって自分や組織にどんなよい影響があるか」 を自分の言葉で語れるかどうかを大事に考えてください。

『日々の行動が変化するか』

目標を立てる目的は、 思考のリフレーミングと自走の促進です。 目標から逆算して今何をするべきかを考え、 実際に日々取り組んだり考えたりすることが変化するかが重要です。 逆に言えば、 行動に変化を及ぼさない目標は意味がないと言ってもよいでしょう。

参考: 目標設定とは何か - Konifar's ZATSU

SLAM DUNKを例にすると

『意義を自分の言葉で語れるか』

  • 目標 「(10日間で) シュート2万本です」
  • 意義の理解 「ノーマークだった10番がミドルレンジからのシュートを決められればチームの勝利につながる (何より目立つ)」

『日々の行動が変化するか』

  • 「日に2,000本と考えると、 1日6時間やるとして12秒に1本打たねばならんな」
  • 「ボールを取りに行く時間はないから水戸、 高宮、 大楠にローテーションでお願いせねば」
  • 「天才と言えど後半は疲れが出てくるかもしれん。 初日は多めにやるか」

個人目標設定のための指針

ルールではなく、あくまで指針です。

1. Objectiveは一番大事なものひとつだけに絞る

目標が多いと自他ともに意識しにくくなり、 計測や優先順位づけなどの運用コストも高くなります。 一番大事なものは何かと考え抜いて、 思い切ってひとつだけに絞りましょう。 KRは2〜3個あってもかまいません。

2. Objectiveは20文字以内にする

覚えられない目標はうまくいきません。 短い言葉、 できれば口ずさめるようなキャッチコピーにしちゃいましょう。

3. KRは計測可能なゴールにする

何を満たせれば達成なのかゴールを明確にしましょう。 定性的でも定量的でもどちらでもよいですが、 計測可能で達成/未達成、 その度合いが明確に示せるものを置いてください。

SLAM DUNKを例にすると

1. Objectiveは一番大事なものひとつだけに絞る

  • ◯ 「ミドルレンジのシュートの強化」
  • ✖ 「ミドルレンジのシュート強化」 「リバウンドの強化」 「セットプレーの浸透」

2. Objectiveは20文字以内にする

  • ◯ 「ミドルシュート天才化計画」
  • △ 「ミドルレンジのシュートの強化によりチームの得点力を上げる」

3. KRは計測可能なゴールにする

  • ◯ 「シュート2万本です」
  • ✖ 「とにかくシュートを練習あるのみです」

目標達成のための指針

ルールではなく、あくまで指針です。

1. 1on1で定期的に話す

目標は定期的に意識する状態を強制的に作らないとすぐに形骸化します。 1on1で状況を確認し、 マネージャーと一緒に達成のためのアクションをとり続けるようにしてください。 単なる進捗報告ではなく、 考えているアクションや必要なヘルプなどを自分自身がオーナーシップを持って話しましょう。

2. 意義を語れなくなったら目標を見直す

自分の言葉で意義を語れなくなった場合、 その目標のままでよいのかをマネージャーと話しましょう。 事業やチームの状況が変わったのに目標だけがそのままで形骸化してしまうケースは多いです。 結果として見直さないこともありますが、 とにかく意義を語れなくなった状態では絶対にうまくいかないので、 速やかに見直しを検討しましょう。

SLAM DUNKを例にすると

1. 1on1で定期的に話す

「キョリがずれるのはいいが横にずれるのはダメだァ!!」 「ぐぬ...!!」
「もーちょっとボールは高く上げた方がいいかな... 明日オヤジに聞いてみよう」

2. 意義が語れなくなったら目標を見直す

(よく考えたら2万本シュートを打つだけじゃダメで、 入った本数やフォームのことも考えないといけないのでは...?)


あくまで解釈の補足として例も書いたが、井上先生はそんなこと意識してないし桜木花道はそんなこと考えてない。また、こういう時にHUNTER×HUNTERを例に出せないところに己の力量不足も感じる。

これを共有した結果うまく個人目標設定できたかというとジャッジが難しいのだけれど、手引きを意識した設定とトラッキングをしてくれていたように思う。

目標設定やOKRについては以下を合わせて読みたい。