Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

抽象度の高い仕事の進め方

仕事をしていると、だんだんと抽象度の高いことを任されるようになる。

たとえば、方針も明確な小さな修正タスク => 修正方法がいくつか考えられるタスク => そもそも何をやるかから明確にしないといけないタスク といった感じで次第にふわっとした依頼になってくる。いわゆるグレード制を採用している会社において、"どれだけ抽象度の高い仕事を任せられるか" がグレードの違いの要素のひとつと言ってもいい。

抽象度の高い仕事を安心して任せられる人は何が違うのか自分もよくわからないので、自分のまわりの人がどういう動きをしているかを雑にまとめてみる。

1. なぜやるかを明確にしている

  • わからないときはドキュメントやチャットのやりとりを探し、直接聞いたほうがよい人には自分でコミュニケーションを取っている
  • やる理由がないと判断したら依頼者に話をして、実際にやらないこともある
  • あとで「自分はこう言われただけなので」みたいなことを言わず、腹落ちできるまで明確にして自分の言葉で意義を説明できる

2. 何をどこまでやるかを明確にしている

  • 何をやったら完了なのか、ゴールをすり合わせて決めている
  • あとで「これをやればよいと思ってました」とか「これだと満たせてないですね」みたいなことにならないようにコミュニケーションを取り、ドキュメントに残して振り返れるようにしている

3. いつまでにやるかを明確にしている

  • 最終的な期限があればそれを意識してスケジューリングする
  • 抽象度の高い仕事は締切を自分で決めながら進める必要もあるので、自分でマイルストーンを引いて進められる
  • 実際にいつ終わるかはわからなくとも、いつ終わらせようと考えているかは常に答えられる

4. 選択肢を出し提案して決めている

  • 最終的な方針をひとつ提示するのではなく、検討案をいくつか用意した上で選択している
  • 決めるための決定軸も整理して、ステークホルダーを巻き込んで意思決定をしている
  • あとから「なんでそういう方針になってるんだっけ?他の選択肢検討した?」みたいなツッコミを受けない

5. 自分から状況を共有・相談している

  • いわゆる報連相のレベルが高い。共有も相談も攻めてる感じ
  • 自分で定例をセットするなど、共有や相談の場の設計をしている
  • 誰と話して決めるべきかを明確にして、先にこの人と2人でシュッと話して60点くらいにするみたいな動きができる
  • 「あれどうなってますか?」と言われることがないし、「それ知らなかった」と言われることもない

実際に成果が出るかというのは別の話だが、抽象的な仕事を任されてる人はだいたいこんな感じな気がする。

もう少し分解するとチェックリストみたいにできそうだが、そういう体系的な話はたぶん何かしらの書籍に書かれてそう。オススメがあれば教えてほしい。

例として「障害対応をいい感じにしてほしい」という話をされたとするとこんな感じのイメージ。むずかしいね。がんばろう。

  • 1で、「そもそも今障害対応が課題なのか」「今それをやる必要があるのはなぜか」といった話を整理する。現状を正確に把握してみると、実は依頼をそのまま受け入れないほうがよいかもしれない。
  • 2では、「いい感じとはどういう状態か」「理想の状態とは何か」を明確にする。その上で、今の事業や組織状況を鑑みてどこまでやるべきかを決めて宣言する。
  • 3で、どういう順番でいつまでに終わらせるかを決める。たとえばまずは現状の定量的な分析をこの日までに終わらせる、課題の整理と方針をいつまでにまとめる、全体向けの方針共有をいつやる、みたいな感じでマイルストーンを引く。必ずしも計画どおりにいかなくてもよいが、計画とギャップがあるかを把握できる状態にするのが大事。
  • 4では、たとえばインシデントコマンダーを役割として置くかどうか、置くとしたら一人に決めるかといった方針プランを提示する。このくらいの抽象度でも無数に意思決定ポイントがあり、そのぶん方針プランも広がっていく。たいていここがかなり難しいところ。
  • 5は全体に関わるところ。1週間に一度、状況を共有したり相談したりする場を作るとか、誰を参加者とするかとかを決めておく。あるいはプロジェクトのSlackチャネルを作ってやりとりを集約するとかもそう。攻めの報連相が自然とできる体制をつくるところもガッと進めていく。