何かを進める時に感じている懸念をうまく伝えるのは地味にむずかしい。
あまり気にせず伝えられる人もいると思うが、自分が消極的なことばかり言って水を差してるみたいな空気になる気がして言いにくいという人もわりといるんじゃなかろうか。自分もそう考えてしまって伝え方やタイミングに悩むことがある。
しかし個々人が感じている懸念というのはめちゃくちゃ重要で、小さな違和感もちゃんと伝えてくれる方がよい。これまで誰かのちょっとした懸念から事故を防げたということは何度もあった。
"伝え方"にも一定コツはあるが、"吸い上げ方"にも工夫できることはあるので、雑にまとめておきたい。
枕詞の引き出しを増やす
- 伝え方の工夫として、変な空気になりにくい枕詞がある
- 「めちゃくちゃ心配性なこと言ってもいいですか」、「やりたくないとかではなくて、イチ意見として気になったんですけど」、「今さらなんですけど、皆で安心していい感じに進めるために確認したくて」、「答えや代替案がなくて恐縮なんですけど」みたいな感じ
- まわりの人がいい表現使ってたらストックしておくとよい
懸念タイムを作る
- 吸い上げ方の工夫として、懸念しばりの"懸念タイム"を作るといい
- ネガティブな感じになるのが不安という人の意見も吸い上げやすくなる。特にやっていきな雰囲気になっているときほど重要
- 懸念タイムは名前があまりよくないので、「磨き上げタイム」とか「今さらいいにくいことを言う時間」とかにして、「はい!切り替えて始めますよ!」って感じで促すとよい
役割として伝える
- 伝える工夫として、懸念に感じたことは全部伝えるマンを演じると言いやすい
- 「あえてそういうスタンスで参加しますよ」って感じで事前に自分で宣言しておくといいかもしれない。また、吸い上げる工夫としては細かいことに気づく人をそういう役割としてお願いしておくとかもあり
- 六色ハットでいうブラックハットを被って役割を演じるイメージ
切り上げ方を想定する
- 伝え方の工夫として、伝えたあと結論が出なそうな感じになった時の切り上げ方を決めておくとよい
- ギャグで滑った時のややウケの一言を想定しておくのとチョット似ている
- 懸念を伝えたあと、「まあ…そうかもしれないけどさ…うーん」みたいな空気になった時にどうするかという話
- たとえば「懸念としては認識揃ったと思うので、別途時間を取って方針決めますか」みたいな感じで引き際を想定しておくと切り出しやすくなる
チェックポイントの議論にする
- 伝え方の工夫として、この場では伝えるだけにして次にいつ話をするか決めるという流れに持っていくという方法がある
- 懸念というのは問題のタネみたいなもので、結局やってみないとわからないことも多く話が空中戦になりやすい。その時の皆でウンウン唸ってる感じや沈黙が苦手で言わんとこって人もいると思う
- 「まあやってみないとわからないとも思うので、来週色々見えてきたタイミングでもう一回確認するのはどうですか?」みたいな感じで話すと、チェックポイントのタイミングや確認の観点の話になって前に進みやすい
後で伝えられる場所を用意する
- 吸い上げ方の工夫として、その場で言えなかったことを聞く場を用意するのも有効
- 懸念をその場で伝えるのはむずかしい。考えがまとまらないこともあるし話の流れで切り出せないこともある
- 「ちょっとした懸念でも気づいたことがあればあとでドキュメントにコメントください」と伝えたりとか、Slackに「ミーティング中に言えなかったことを言うスレ」を作ったりとか、場所を作ると考えをまとめて言ってくれる
- アンケートを作って展開してもいいし、1on1で個別に話を聞いてもいい。後出しで気軽に言ってもいい場所を作るのが大事
伝える工夫もできるけど、それだけじゃまだ難しい。吸い上げる工夫もセットで考えないといけない。
伝える方も吸い上げる方もお互いのリスペクトを大切に。そして次の曲が始まるのです。