Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

質問の目的と礼儀のバランス

コインチェックの会見中、記者の質問が下手くそすぎるという意見をよく見る。わかる。まあ記者さんの仕事も個人もよく知らないのであんまり悪く言える立場でもないのだけれど「ああ友達にはなれなそうだな、近寄りたくないな」とは思う。

悪いと思うものを悪いとだけ言っていてもあまり生産的ではないので、じゃあ逆に上手な質問というのはどういうものなのかと考えてみたい。言い換えれば、「自分が記者だったらどういう質問をするのか」という話を抽象度をあげて雑に考えてみるといいかもね、ということだ。

自分の中ではある程度答えがあって、「目的が明確な内容を最低限の礼儀を払って聞く質問」がいい質問だと思う。

目的が明確というのはその言葉のとおりで、「あ、この人はこういうことを知りたくて聞いてるんだな」と相手にも伝わりやすい質問。相手が答えやすいということではない。コンテキストが絡むのでむずかしいんだけど、自分がどういう目的で質問するのかということを矛盾がないようにしておこうということだ。

極論をいえば、「恥をかかせてやろう」みたいな目的であれば意地悪な質問の仕方をしてもいいんじゃないかな。けどさ、「被害者のために」とかいうなら相手にも答えやすい内容や聞き方を意識した方がいいよね。糾弾したいのか、皆が聞きたいことを引き出したいのかはっきりさせたほうがいい。目的が矛盾してるように見えると「あ、この人質問下手だな」と思うのかもしれない。

記者さんが「私も友人も3億円くらい損しました!なので今日は徹底的に怒りをぶつけつつ質問します!」みたいな枕詞を置いて質問するなら、どんな罵声を浴びせようが筋は通ってるなと思う。

仮に正義感たっぷりに本当に被害者のことを考えて質問する場合、その方法については2つめの要素が関係してくる。最低限の礼儀を払えという話だ。

普通に質問したら聞き出せないんだよ、と言われるかもしれないね。まあ仕事だからあんまり感情移入するのもよくないけどさ、人としての美学というか、そういうものは忘れてはいけないと思う。何より、相手を悲しくさせたり怒らせたりしたら本当に知りたい情報を引き出せないと思うんだよな。誰も幸せにならないよね。目的は常に胸におきつつも、質問の方法は礼儀の範囲で取捨選択する必要がある。

他にもちゃんと下調べしようとか短く伝えようとか細かい話でいえばたくさんあるとは思う。けど大事なのは、質問する前に目的に矛盾がないかをよく考えた上で目的を達成するための質問の内容を考えて、聞き方に関しては最低限の礼儀を欠いていていないか見直そうというところだと思う。

なんだか小学生で習うような話になってきた。けど、このあたりを考えられてないように見えるから質問が下手くそと言われちゃうんだと思うんだよ。みんななかよく!