Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

お酒を飲めば誰でも気分転換になると思わないでください

この記事はSHIROBAKO Advent Calendar2019の記事である。

adventar.org

16話『ちゃぶだい返し』の小笠原さんのこの台詞がめちゃくちゃ好きだ。

「お酒を飲めば誰でも気分転換になると思わないでください。そういうことが苦手な方もいるのをお忘れなく」

言っている内容自体も好きなのだが、後輩を思っての台詞であること、気まずい空気になるのをわかった上で同僚に向かってはっきりと"それは違う"と主張していることが本当に素晴らしい。

何かを主張し、相手に納得して動いてもらうのはとても難しいことだ。言いたいことを言うだけで相手に動いてもらえると考えるのはアカチャンと一緒である。大人なら相手に動いてもらえるように言語化し、相手との関係やタイミング、伝え方も考慮しなければならない。

SHIROBAKOには、そういった自分の意見をしっかりと相手に伝えるシーンが多々出てくる。中でも、この小笠原さんの台詞は本当に見習うべきところが多い。

実はこの台詞のやりとりのシーンは結構長くて、14:50から16:00まで、1分9秒861もの尺がある。

小笠原「サポートが足りないと思うのです。井口さんは今回初めてキャラクターデザインを担当しています。なのに、あなた方は井口さんをずっと放りっぱなしではありませんか」
木下「えっ」
渡辺「いや~原作者が どう直していいか言ってくれなくて」
小笠原「原作者が何も言ってくれないからといって、その全てを井口さんに丸投げするのは仕事を放棄しているのと同じです。それではあんまりではないですか。井口さんを抜てきしたのなら、ちゃんと相談に乗ったりアドバイスしてあげてください」
木下「たしかにそのとおり」
渡辺「申し訳ない」
小笠原「井口さんに負担のかからない、作業に集中できる環境を作ってあげてください。そして、最後までしっかり井口さんを支えてさしあげてください」
木下・渡辺「はい」
渡辺「じゃあ、井口さん誘って気分転換に飯でも」
木下「飲みに行っちゃう?」
小笠原「あなた方の仕事はそれではありません。原作者の意向を解釈して、もっと井口さんと一緒に直しの方向性を考えてください」
木下・渡辺「はい」
小笠原「お酒を飲めば誰でも気分転換になると思わないでください。そういうことが苦手な方もいるのをお忘れなく」
木下・渡辺「はい」

自分が同じ状況なら、然るべきタイミングでPOとPMを呼び出してこれを淡々と伝えられるだろうか。サポートが足りないと注意して重い空気になった後で、飲みの話をする2人に「そういうとこやぞ」とさらに厳しく注意できるだろうか。しかも小笠原さんはこの後自分でお酒ではない形でフォローもして見本を見せている。まさに"圧倒的当事者意識"であり"やっていき"である。

今の俺にはこんな振る舞いができる自信がない。こんなに優しさと厳しさを両立させて会話できる自信がない。怒って勢いでツイートする人はたくさんいるが、対面でちゃんと怒れる人というのは珍しい。こういう大人に自分もなりたいものである*1

*1:小笠原さんの年齢は35〜40歳という予測があり、おそらく自分より年上だという認識の上でそう考えています