Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

今年最後のアプリリリースとSHIROBAKO

これはSHIROBAKO Advent Calendar 2018最終日の記事である。

今年最後の少し大きめのアプリリリースを終え、『えくそだすっ!』最終話を完パケした後の杉江さんのような心持ちで家路についている。

いやー12話ほどではないにせよ正直なかなかひりつくスケジュールで 「綱渡りか…」 と呟く瀬川さんの姿が頭によぎったよね。

12月7日(金)にやるかどうかの会議があって、19日(水)にiOSアプリを申請するというスケジュールだったから、都合8日でデザイン、サーバーサイドの実装、アプリの実装、テストをやりきらなければならなかった。

「これ現実的に年末までに出せますかね?」
「現実的ではないですけど、まあ出せたら年末気分いいですよね」

などと話しながらも「正直厳しいなー」と思ったが、 変な話間に合わなかったらリリースしなければいいだけだし、ムサニよりはよっぽど楽だよなとも感じていた。杉江3日伝説には遠く及ばないが、こういうギリギリのテンションで仕事をするのは嫌いではない。実際、19話の回想シーンのような現場感があり、チームの雰囲気もよかったと思う。

雰囲気はよかったが、いま思い返してみると結構ピリピリしていた時もあった気がする。

デザイナー氏がすごい勢いで仕様とデザインをほぼ固めてくれた時、シャチョーとデザイナー氏の間で実装機能の目的の食い違いで議論になった。

平岡と円さんのような感情的な言い合いではなかったものの、「どんなユーザーのために作るのかという部分から考え直した方がいいのでは?」という話が出た時は、変な話 「ウォッ3話のあるぴんじゃん」 と思ったよね。最終的に、ユーザーからの声という定性データと実際の数字という定量データをもとに議論して、大きな変更をせずにそのまま行くことになった。

宮森のように場の空気を変えていい感じに軌道修正できたわけではない。正直に物を言いまわりを程よく巻き込める能力は、宮森の素晴らしい才能なのだ。

また、リリースできるか見極める最初のチェックポイントまでにサーバーサイドの開発が間に合わず翌日にリスケになってしまったこともあった。

その時、佐倉さんのように 「いいよー別に。待つのも仕事だからねー」と言える余裕が自分にはなく、思わず 「万策尽きた」 と言いそうになってしまった。あらゆる状況を想定して準備をし、常に心穏やかにまわりに接することができる能力は、佐倉さんの普段の努力によるものなのだ。

第二チェックポイントまでに何をどうするか決め、 「現場は生き物って言うからね。何時も何かが起きる。だから、今できることをやっておかないとね!」と言った宮森を見習って先にテストケースを作ったりデザインを完璧に仕上げたりすることに集中した。

「全部を一度には無理でもね、小さなことからコツコツやればいつか終わるよ」 というロロの台詞はいつでも正しく、最初は終わるか不安だった開発でもタスクを書き出して進めているといつの間にか終わりが見えてくるものだ。

開発終盤に差し掛かると、いくつかの仕様や修正を年内のリリースからは落とす判断をしたりもした。アニメ制作と違い、出したものをまた手直しして改善できるところがサービス開発のよさだなと思うと同時に リスケが許されないというプレッシャーの中で、合意を取りにくい芸術分野をあれだけうまくまとめた新卒2年目の宮森には尊敬の念を禁じ得ない。

そんなこんなでリリースしたアプリは、今のところ大きなバグもなくユーザーの皆さんからはポジティブな意見をいただいている。あとは、明日予約したリリース打ち上げのバルバッコアどんどんドーナツどーんと行く のみである。

ちなみにここまで色々書いてきたが、SHIROBAKOのコンテキストは社内の誰とも共有できていない。全て自分1人の頭の中で思い浮かべていただけである。

実は来年には本物のアニメ制作進行経験者が入社してくるので、一緒に最高の完パケ体験をするのを心待ちにしている。


今年もSHIROBAKO Advent Calendarお疲れ様でした。参加してくださった皆さま、ありがとうございました。

いつのまにか4年目を終え、トータルでは100記事を超えたと考えるとすごいことですね。年明けの松亭新年会でお会いしましょう。