何かを共有したり提案したりした時に、想定していたよりもたくさんの反対意見が出ることはよくある。あまりにたくさん反対されると、サンドバック化してボコボコにされる感覚でしんどくなる人もいるかもしれない。
反対意見が出た時の振る舞いには一定のお作法があると思っていて、それを知っておくとちょっと楽になると思うので雑に書き出してみる。そうなる前に進め方で改善できるところもある*1けれど、それはいったん置いといて「反対意見がたくさん出たらどう振る舞うのがよいか」という観点で考えてみる。
1. お礼を言う
- ちゃんと話を聞いて真剣に考えてくれているからこそ反対意見が出る
- 実際にそうじゃなかったとしても落ち着いてそう考えてみるのが大事
- 内容や伝え方に憤りを感じたとしてもいったん置いておいて、まず意見を言ってくれたことに対してお礼を言うこと
2. 初動の方針を伝える
- たくさん反対意見をもらうと、それに対して意見を言うことも怖くなってしまいがち
- 反対意見に対する正式な回答は最初は必要ない。まずは「どうしていこうと考えているか」を伝えるだけでもいい。たとえば「来週末までに意見を読んでヒアリングもさせてください」とか
- 大事なのは"できる約束"を積み重ねること。最初は絶対にできる小さいアクションでよいので、いつまでに何をしようと思っているかを早めに伝えた方がいい
- 初動だけでなく、状況や考えていることをこまめに共有し続けること。内容自体ではなくその後の対応によって不信に思われてしまうのはもったいない
3. 意見を正しく理解する
- 文字面ではなく本意を正しく理解するのが大事
- 必要に応じて、直接1対1で意見を聞く機会を作るとよい
- 深ぼっていくと、だいたい以下のケースに当てはまる
- 想定できていなかった
- 想定はしていたが重要視していなかった
- 内容が正しく伝わっていない
- 実は「真っ向から完全に反対」ということではなくて、わからないから説明を求めているだけということも多い
- 伝え方のせいで受け入れられていない
- たとえば、理解はできるけど無理やりポジティブに伝えているように感じて癇に障って受け入れられないとか。文字にすると幼稚なようだが意外とよくある
- 内容によっては、各チームのマネージャーにヒアリングとフォローアップを依頼するとよい。よき協力者を作っておくと進めやすい
4. 仕切り直すかを決める
- 反対意見を踏まえて、「反対意見は色々あってもそのままやるべき内容か」という観点で考えてみる
- その上でやるべきだと判断したら、次に「やりきれるか」という観点で考える。全員が納得するのは無理だとしても、遂行が難しいほどの状態かどうかを判断する
- 「ごめんなさい、やっぱりやめます」を選択肢として持っておくこと
- これを言えるのは悪いことではない。むしろ意見を聞いて修正する判断ができることはポジティブに捉えてもらえる
- ただし、何度も頻発してはダメなので意見を正しく理解したうえで決断することが大事
- 仕切り直さず説明してそのまま遂行するという決断もある
- 内容によってはいわゆるトップダウンでの意思決定
- "お試し期間"を決めてやってみるというアプローチを取ってもいいかもしれない*2
5. 意見を受けてどうするかを伝える
- ここまでのステップを踏んでいれば、もうそこまで反対意見は出ないか、出たとしてもやりきる方針で決断できていると思う
- このステップまでコミュニケーションを取らずにステルスで動くとどんどん期待も上がってやりづらくなるので注意
- 全体に伝えるのか、意見を言ってくれた人に先に伝えてみるのかといったところは工夫が必要。できるなら少ない人数で伝えてみて反応を見た方がいいと思う
- 内容によっては、これらのステップを何周かしていく必要もある。一度では綺麗にまとまらないこともよくあるので、根気強くコミュニケーションを取って修正し続けること
ざっくりこんな感じだろうか。もっといいお作法が色々ある気はする。
もちろん反対意見自体がそこまで出ないような事前の進め方の工夫も色々あるとは思うけれど、まあそんな綺麗にいかないことも多い。反対意見がたくさん出ると、強張って動きにくくなってしまいがち。あれはつらい。
そうなった時にどうするか引き出しを持っておくと、より大胆にいろいろな共有や提案をしていけるようになると思う。ギャグが滑った時に何を言うかを考えておくのとチョット似ているかもしれない。