誰かが進めている仕事を端から見て、「そんなに複雑じゃなくてもっとシンプルにできるんじゃないか」、「こうしたほうがいいんじゃないか」「そもそもやる必要ないんじゃないか」みたいに感じたとする。
こういう時、「口を出さないでおこう」となってしまうこともあると思う。そりゃそうだよね。口出しにくいよ。横から何やかんや言ったらやる気を削いでしまいそうな気もするし、ちゃぶ台返したいわけではないけど「いま言われても」みたいな雰囲気になりそうだし、もしかしたら自分が見えていない事情があるかもしれないし、その情報を取りにいく時間を自分がかけるべきかもよくわからんし、自分の感覚が正しいかも正直自信はないし、仮に本当に筋が悪かったとして明確な対案を持ってないこともあるし、口を出しても最後まで責任持てるかわからないしな。そりゃ「まあいっか、静観」となりがちだよね。
めちゃくちゃ気持ちはわかる。わかるんだけど、自分はそういう時にはちゃんと口を出していくべきだと思ってるし、そういう人のほうが好き。皆が「それくらい考えとるやろ」とお見合いしてしまうほうがよくない。なので、組織・個人両方の観点で口を出しやすい状態を作ることに頭を使うべきだと思っていて、そういう話を雑にまとめてみる。
組織の工夫
1. 推奨する振る舞いとして明文化する
- メンバーが迷った時に、「口を出したほうが偉い」みたいな感じで判断に使えるようチームのスタンスを明文化して伝え、文化にしていく
- 表現は極端なほうがいい。極端にしないと判断に使えない
- 口を出す側だけではなく、受け取る側のスタンスも重要。まずは感謝を伝えるとか、相手や言い方ではなく意見そのものに集中するとか
- 余談だが「口を出す」という表現自体も正直あんまりよくはないと思うので、明文化するならもう少しよい表現にしたいが思いつかない
2. 役割を決めてお願いする
- 口を出す役割を明確に決めてお願いする
- 「この人はこういう時にちゃんと言う係で、役割として全うしてくれている」という共通認識を持てるとチョットやりやすくなる。本人も「これは◯◯の役割として確認したいんですが」のように宣言して話すといいかもしれない
- 明確に権限をつけた上で、本人には「権利じゃなくて義務。口を出さないといけない」といった感じで極端に伝える。極端に伝えないと機能しない。もしバランスが悪くなった場合は補正する。それがマネジメント。 "警察" になりすぎないように、名前は「おかん」とか「◯◯委員」、「◯◯係」とかにするといいかもしれない
3. 口を出せる場を作る
- タイミングが遅くなればなるほど口を出しにくいので、早めのタイミングで言えるようなプロセスを作る
- 同時に、遅めのタイミングでも言えるように「ちゃぶ台確認会」、「そもそも会」のような場を用意する
- ミーティングでうまく伝えられない人を 1on1 でフォローして伝えてもらうなど
4. 個人をフォロー・フィードバックをする
- 口酸っぱく口を出していってほしいことを伝え、口を出してくれた人にはそのこと自体を称賛する
- 事後のフォローはマネジメントの責務でもあるので、伝えてギクシャクすることを恐れないでほしいといった話もしておく
- 伝え方、受け取り方を改善すべき箇所があれば直接フィードバックする
- 事前に「そういうタイミングがあったらフィードバックさせてほしい」と伝えて認識をあわせておくとよい
個人の工夫
1. 枕言葉を増やす
- 伝え方だけの話だが、「今さらすみません」、「頓珍漢かもしれませんが」、「ちょっとわからないので教えてください」のような枕詞をいくつか用意しておく
- 伝えたい度合いや、対案の有無なども最初に伝えるとよい
- レビューでの指摘なら、
FYI、must、want、imo、nitsのように接頭辞ルールを決めておくといいかもしれない
2. 寄り添う意思を伝える
- 対立構造になりがちなので、向いている方向が一緒であることを明確に伝える
- 「もしかしたらもっとよくできるかも?と思っての just idea なんですが」とか
- 無意識のうちに自分の知識や考え方を伝えることを目的となって見栄や意地を張らないように注意
3. 直接話す
- テキストコミュニケーションですべてをやろうとしない。オンラインまたは対面で直接話す選択肢を常に持っておく
- テキストだけで情報と考え方を擦り合わせる負荷は高く、時間がかかったり感情が揺さぶられてしまったりする。ニンゲンが対面コミュニケーションから卒業するのはまだ早い
4. 先にスタンスを宣言しておく
- 最初に「こういケースでは伝えていきます」のように自分のスタンスを宣言しておくと楽になる
- チームのアグリーメントとして揃えておくことも必要だが、まずは自分でスタンスを宣言しておくのは個人でもできる。自分の取扱説明書みたいなのを書いてその中のひとつとして書くとかもいいかもしれない
5. 普段から話しておく
- 関係性がないのに口を出すのはハードルが高すぎる
- なんだかんだ普段から話しておくのはとても重要。特にオフラインで話しておくこと
- 雑談しておくということなんだけれど、フリー雑談は結構難しいので事前に相手に話しておきたいこと、聞いてみたいことを時間をとって準備しておくといいかもしれない ref: 個人コミュニケーションKPI - Konifar's ZATSU
雑に書いてみて思ったが、自分は組織の工夫があまりできていない。個人でなんとかすればええやろくらいに思っていたフシがあるけれど、こう見てみると両方必要だよね。個人でコントロールできることには限界があるし、やはりそれだけだとしんどい。
そもそも筋がいい悪いみたいな感覚ってなんだろうな。真面目で実直な人ほど、筋が悪い方向にがんばってしまったりする。「こんなにめんどくさいのはそもそもおかしいんじゃないか」みたいな嫌な匂いからくるやつで、間違いなくあるとは思う。
視野や思考を広げて考えるということだと思うが、こういうのはその人の知識と経験で磨かれるものなんだろうか。いろんな意見をもらっていくうちに、考える順番や抑える勘所みたいなのが培われていくんだろうね。そういう意味でも、やはり口を出すべきだし、出される環境のほうが結果的に全員のレベルが上がりやすいと思う。
思想の話になってしまうが、当事者は口を出されてもちゃんと向き合って回答できたり動きを補正できたりするってのが真っ当だと思うしね。口を出すほうも出されるほうも、お互いのリスペクトを忘れずに。そして、次の曲が始まるのです。