Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

"考える時間軸"を伸ばす

いま一緒に働いている同僚が「考える時間軸を伸ばす」という言葉をよく使う。

「もう少し考える時間軸を長くしたいですね」とか「時間軸を長く考えてみると〜」とか。自分はこの言葉がとても好きで、最近の考え方にも影響している。この"考える時間軸"を伸ばすということについて、雑に考えをまとめておく。


考える時間軸が短いと、重要な問題が放置されたり解決策の意思決定の筋が悪くなったりする。

たとえば、腰を据えて取り組む必要のあるアーキテクチャ改善やシステムリプレイスをイメージしてみるとわかりやすいかもしれない。

1年以上かけて取り組む必要があるようなこういった課題が、明確に"放置する"という意思決定をされることなくぬるっと優先順位が下がって対応されないという経験をしたことはないだろうか。あるいは、根っこの解決の選択肢を最初から除外して今できる範囲で取り組める小手先のパッチワークを繰り返してしまったりとか。自分は何度もある。

考える時間軸が短くなると、プロダクトの方針だけではなく組織にも影響が出る。目の前のことを必死に頑張って前進はしていても、いつの間にか組織全体が摩耗していくのである。

コスト削減など短期間でやりきっていくタスクは楽しく達成感もあるが、そういったタスクをずっと繰り返していくだけになるのは経験上よくない方向に進みやすい気がする。

なんというか、「俺たちこのままでいいのかな」みたいな感じでだんだんと存在意義を見いだせなくなってくるのかもしれない。人によってはキャリアの不安も頭をもたげてくるのだと思う。自身が日々研鑽を積み、プロダクトを改善させた先に何があるのかを明確にしておいたほうがよい。

考える時間軸は油断するとすぐに短くなっていく。直近の問題を解決し続けるのは、ある種のヒロイズムを感じやすい側面もある。意識的に長く考える訓練を積まなければならない。

ではどのくらいまで先を考えればいいのかというと、組織でグレード制をしいているならひとつ上のグレードで考えるべき時間軸を意識するとよい。キャリアラダーやグレード制のステップは、考える時間軸の長さと影響を及ぼす範囲で決まると言ってもいい。

経営者であれば3〜5年以上先を見据えていくべきなのだと思う。基本的にメンバーはマネージャーより長い時間軸で考えることはないし、マネージャーは経営より長い時間軸で考えることはない。自身が組織の天井にならないために、考える時間軸をいっそう長くしていく必要がある。

自分は1年〜1年半後くらいまでしか見れていない。実はこれでもだいぶ改善された方である。というか、マネジメントに関わる人であれば、最低でも1年半くらいの時間軸で考えないと適切な意思決定ができないと思う。

たとえば新規メンバーの採用をしていく場合、活動を始めてから入社に至るまでざっくり半年から9カ月くらいのリードタイムがかかる。入社後に定着して大きな成果を出してもらうまでと考えると1年以上見なければならない。それよりは先のことを考えて動けないと、正しい採用活動もできないということになる。

一方で、考える時間軸を伸ばしつつ評価はそれより短い期間で行うのがよいのが悩ましいところである。

評価は半年に一度くらいの頻度で行われることが多いと思うが、たとえば2年かけてシステムリプレイスを担うチームはそのスパンでの評価があることで考える時間軸が短くなりやすくなりそう。

各メンバーの力の出しどころを明確にするためにも途中経過の成果に報いるためにも評価は必要だとは思うが、うまくワークするかどうかはマネージャーの「ゴールを"刻む"技術」にだいぶ依存すると思う。


つらつらと書いてきたが、同僚が「考える時間軸を伸ばす」という言葉をたびたび使って軌道修正してくれるのは自分にとってはかなりありがたい。最近は自分も真似して使うようになってきている。こういう人に影響を与えられるような言葉を投げかけられるようになりたいものである。