自分としては成果を出して貢献していると感じているのに、いまいち組織からの評価は高くならない時に考えたほうがいいかもしれないことを雑にまとめてみる*1。
0. 自分に原因があると仮定する
- 「自分はこれだけやっているのに正当に評価してくれない」と憤りを感じて、イライラしたり悲しくなったりしているかもしれない。わかる
- もしかしたら上司や制度にも問題があるのかもしれないが、そこをいくら考えても自身ではコントロールしにくいし好転しないことが多い。憤りを感じたりモヤモヤしたりする時は、まずは自分がコントロールしやすいところにフォーカスして考える方がよい
- 気持ちの切り替えが難しいけれど、いったん「原因はすべて自分にある」と極端に考えて以降のポイントを深堀って考えてみるとよいかもしれない
1. がんばる方向を確認する
- 組織にとって必要なことではなく「自分はこれが大事だと思った」ということをひたすらやってしまっている状態だと評価されにくい
- 「こんなにやってるのにどうして評価されないのか」と感じても、実は組織貢献の方向性の認識から違っていてまわりから見ると暴走列車と化しているだけというケース
- 自分だけの考えに囚われて突っ走っていないかと疑い、何が求められているのかを考え、上司やチームと方向をすり合わせるのが大事
- ちなみに残念ながら上司も方向を定められていない場合もある。そういう時には上司の上司や他部署のマネージャーを巻き込んですり合わせたほうがよいが、上司の面子を叩き潰しても意味がないので進め方には注意すること
2. がんばる距離とペースを確認する
- 「いつまでにどこまでやるか」をすり合わせずに、「できるだけがんばって進められた!」みたいな感じになっていると評価されにくい
- 「こんなにやったのに」と「ここまでやってもらいたかった」の認識の差が出ないように上司やチームと合意をとっておくべき
- 「この時期までにここまでやります」と宣言しながら仕事をするのはしんどいし緊張もするかもしれないが、これがないと立ち位置も確認できない
- 「いつ終わるか」は答えられなくてもいいけれど、少なくとも「いつまでにどこまで終わらせようと考えているか」は答えられる状態にしておくのが大事
3. 報告と相談のリズムを確認する
- 上司やチームメンバーから「この人には安心して任せられる」という感覚を持ってもらえないと当然ながら評価もされない
- 「任せられる」というのは全部一人でやりきれるということではなくて、「適切に報告と相談をしてくれて、随時すり合わせながら方向修正できる」というのが大事
- 例えば「ステルスに動いて皆が思ってもみなかったような期待以上の成果をバーンと出してやるぞ」的な動きは、評価が高くない時にはあまりやらないほうがいい
- リズムの取り方は組織や上司によって違う。ガンガンやっちゃいなよみたいな文化のこともあれば、慎重に合意を取って進めるべきこともある
- 会議体やそのアジェンダなどを上司やチームとすり合わせて、報告と相談のリズムを作っておくことが大事。できるなら自分から前のめりに提案するとよい
Extra. ご機嫌に見えるように振る舞う
- 機嫌がいいと評価されるみたいなのはよくないが、少なくとも過度に気を遣われないコミュニケーションは必須
- 上司やチームメンバーから「この人には気軽にお願いしにくいな」「率直に物事を伝えにくいな」といった感じで気を遣われると成果は出せないし結果として評価もされない
- 例えば、何かを依頼された時や進捗を聞かれた時に初手で怒ったような態度で接してしまっていないかとか。怒ったり反発したりするのはいいけれど、それを態度で察してもらうような振る舞いをせずに自分の考えを言葉で伝えることを諦めないのが大事
- 積極的に手をあげたり、反応を多めに返したりといった振る舞いも同じ。常にご機嫌でいるのは難しくても、"ご機嫌に見える" ように振る舞うのは技術として磨いていける
雑に書き出してみて思ったが、これらを仕組み化したものが目標設定や評価制度だったりする。目標の達成尺度をそのまま評価にするべきではないが、方向や距離、ペースは目標設定プロセスの中で揃えやすい。
自己評価と組織からの評価が食い違っていると、めちゃくちゃテンションが下がるし、なんやねんもうええわ と感じるかもしれない。そういう時には上司や組織を敵対視して、「この人 (たち) とは話しても仕方ない」と見限って直接対話しなくなってしまいがち。こうなるとよくないループにハマってしまう。そういった態度や振る舞いは鏡のように跳ね返ってきて、物事が好転することはない。
なかなか難しいとは思うけれど、上司やチームメンバーを頼って、「なぜ評価されていないか」「何をしていけばよいか」を直接聞いてみるのもよいと思う。まともな上司なら、組織の成果を上げるための相談には真摯に向き合ってくれる。
「上司やチームのことをこんなに意識して行動するのって正しいの?」と思われるかもしれないが、組織で働くならある程度仮面をかぶって上司やチームを"勝たせる"意識を持ったほうがお互いによいとは思う。
「こんなに評価を気にして過ごすのそもそもどうなん?」という意見もあると思う。わかる。個人的にはあまり戦略的に評価を高めていくみたいな動きは洒落臭えという気持ちもある。
雑に書いておいてなんだが、評価されている人は評価のことをいちいち気にして動いていないように見える。組織で成果を出すために行動を最適化していったら上記項目を抑えた振る舞いになって、結果として評価されているという人が多いんじゃないかな。
そもそも評価に対して組織に所属する全員が100%納得できることはない。なので、結果そのものに対して過度に気にしすぎないほうがいい。
その上で、あくまで いま自己評価と組織からの評価が乖離していて悩んでいる場合には、これらの項目をもとにちょっと振り返って確認してみてもいいんじゃないかという話である。がんばっているのに評価されていないと感じている人は結構もったいなくて、方向と距離、ペース、リズムをほんの少しすり合わせたり周囲との接し方に気を配ったりするだけで全然変わってくるかもしれない。
*1:特定の誰かのことを言っているわけではなく これまでの自分の経験をもとに思考整理しているだけなので、「俺のことかな...」と不安になったりしないようお願いします :pray: