オンラインのミーティングで「何か質問や意見ありますか」と聞いた後の無言がつらいんだよねという話を聞いた。わかる。自分はもはや慣れきってしまったけれど、今でもいい方法ないかなあと考えている。
いくつかやったことを書いてみる。組織によってもだいぶ違うと思うけれど、他の人の知見をめちゃくちゃ聞きたい。
最初に声を出してもらう
少しでも最初に声を出しておくと意見を言いやすいという研究があるらしい。なんとなく実感としても正しい気がしている。
ただ全員に雑談を振るというのもちょっとなあという時に自分がやっているのが「出席をとります」である。皆なつかしい気持ちになってほんわかするし、返事をするだけでもよいので楽。時間もかからない。
参加者の役割を最初に話す
どういう役割や発言を期待しているかを明確にしてあげるとそのスタンスで意見を言いやすくなる。たとえば「○○さんにはモバイルの開発工数観点でかなり現実的な意見を言ってほしいので正直にガンガン言っちゃってください」みたいな感じ。
具体例を出す
「何かありますか」と聞かれると出ないけれど、「○○の観点で不安だなーとか何でもいいですよ」などちょっと具体的に言うとその周辺の意見が出てくることがある。
「よくわからなかった内容の確認とかも歓迎です」のような感じでもハードルが下がってよいかもしれない。
名指しで聞く
全員に聞くとなかなか発言しにくいが、「○○さんこういう観点で懸念ないですか?」のように名指しすると話してくれたりする。
誰に聞くかは表情やこれまでの発言、把握している性格や役割から推測するしかない。
参加者にフォローをお願いしておく
参加者の中に視野が広かったり意見を明確に伝えてくれたりする人がいれば、「切り込んでいってほしい」「必要に応じて他の人にも意見を促すような意識でやってもらえると助かる」みたいなことを先に伝えてフォローをお願いしておくとやりやすいこともある。
意見に対して反応を返す
意見を言ってくれた時に「ありがとうございます」「いい視点ですね」「おーなるほど、たしかに」といったポジティブな反応を返すようにする。ちょっと大げさくらいがちょうどいい。詰めてしまったり変な空気にしたりすることは避けるべき。
テキストチャットを推奨する
オンラインのミーティングにおいて、テキストチャットはとても強力。マルチスレッドでミーティングを進められる。チャットで意見を出してもらえればそれがきっかけになる。ミーティングのファシリテーターはラジオパーソナリティのような振る舞いに変化してきている感覚がある。
「チャットでもいいですよ」ではなく、ミーティングの最初に「何か思ったことがあったらどんどんチャットに書いちゃってください」のように推奨するくらいの方がよい。
テキストやバーチャル背景で意思表示をしてもらう
「意見ありは1、考え中は2、特になしは3」といった具合にルールを決めて、いっせーのーせでテキストコメントを促すと全員の意見を瞬時に集められる。この例の場合、1の人がいたらそこから意見を聞いていく。その間に2の人に考えてもらうこともできる。
やったことないけれど、このやり方はバーチャル背景でも可能。「質問です」「完全に理解した」「ちょっとよくわかりません」みたいな意思表示が書いてある背景画像を用意しておいて、参加者の背景がミーティング中にコロコロ変わるみたいな感じだと面白いかもしれない。
意見を待つ時のルールを決めておく
無言がしんどいのはいつ切り上げていいのかわからないからというのが大きい。「10秒待って特になかったら次行きます」みたいな感じで先にルールを決めて宣言しておくとそれだけでつらみは減る。
自分が話さなくても参加者がどんどん話していく状態を作れるのが本当にファシリテーションのうまい人だと認識しているが、自分は無言がとにかく苦手で話しすぎてしまって後で反省することが多い。余談だが、これは嫁氏との最初のデートの時も同じだったのでここ10年くらい本質的に何も成長していないことがわかる。