Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

演じるうちにできるようになる

ある日SNSをみると知り合いが嘆いていた。子どもがYouTuberの話し方や仕草を真似し出して、あの不自然なハイテンションというか独特の雰囲気がひどく嫌らしい。

ちょっとわかる。一方で、そこまで影響を与えられるのすごいなと思ってしまった。何度も見ているうちに無意識に似てくるのだろう。逆に、この人の所作を真似してほしいという動画を見せていたら人は意外と簡単に行動や性格が変わってくるのかもしれない。

思えば、自分のまわりのできる人は色々なところからエッセンスを抽出して真似るのが上手い気がする。それは本だったり先輩だったりSNS上ですごいと感じる人だったり、様々である。例えば同じエディタやキーボードを使ってみたり、会議のファシリテーション中の言い回しを真似してみたり、いいと思うところを組み合わせて自分のものにしているなと感じる。

自分のロールモデルを見つけるとよいとか、自分が一番下手くそでいようとかはこの真似るところがたくさんある環境に身を置くと成長しやすいよという助言だと思う。

ただ、真似するのが難しい分野もあると思う。以前一緒に働いていたPdM氏からは本当にたくさん学ぶところがあった。自分からみると彼はアイスブレイクの達人で、ミーティングの最初の小噺はいつも場を和ませていた。ある日、CSチームのメンバーが彼に「変な質問していいですか?」と聞いたとき、「もちろんです!変な質問大好きです!」と即答していたこともあった。この相手の緊張を一気にほぐすやりとりには自分はいたく感銘を受けたが、自分は性格が違うからそのまま真似るものでもないと取り入れることはなかった。

それから1年半くらいたった今は少し考えが変わって、性格が影響するような部分も演じているうちにできるようになると思っている。例えばミーティングの最初の小噺も、最初は緊張はするしうまくいかないかもしれないが、何度かやれば慣れてくるというか、自分の振る舞いとして馴染んでくる感覚がある。

演じるというと何か気色悪い気もしてしまうが、少しテンション上げたり声を張ってみたりするのはわりと誰もがやっているのではないかと思う。YouTuberも普段からああいう話し方ではなく、数字を伸ばすために色々試した結果、カメラの前で自然と演じられるようになったのではないかという気がする。想像だけど。

振る舞い全部をいきなり演じるのは難しいので、具体的なアクションに落とすとよいかもしれない。最初の挨拶だけちょっと声を張ってみるとか、小噺がスベッた時の言葉を用意しておくとか、今回は必ず相手の名前を呼んでみるとか、単純なタスクに落とすとやりやすい。演者の発声練習のようなものだ。

YouTuberの話し方や仕草を真似するのがいいのかは置いておいて、そういう影響を与える側も受ける側もすごいなと思った。私からは以上です。