Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

好きなドラえもんの映画

先日「好きなドラえもんの映画は何ですか」と聞かれ、めちゃくちゃいい質問だなと思った。この回答には人生が表れると言っても過言ではないかもしれないし、過言かもしれない。

悩んだ結果、自分の回答は雲の王国にした。なぜか。小学生の時に映画館で見たのだが、初めて映画で放心状態になるという経験をしたからである。

ラストシーンのドラえもんの献身的な姿に涙しない人はいないはずだ。まさかドラえもんが問題解決のために自ら命を絶つ選択をするなど、小学生に想像ができただろうか。俺にはできなかった。

さらに、その前にドラえもんポンコツになってしまいのび太ドラえもんを抱えて世話をするというシーンもある。普段絶対的な信頼を置いているドラえもんがあんな姿になってしまうという絶望感、そこから復活したと思ったらあのラストシーンだよ。今思えば、あれが初めてのトラウマと言える経験だったのかもしれない。

トラウマと言えば、ブリキの迷宮もヤバいよね。あの迷宮入口の笑い声聞いた時はめちゃくちゃ怖かった。あの演出は今見てもやはり子ども向けではない。恐ろしくてまだ自分の子どもにも見せられていない。雲の王国とブリキの迷宮でトラウマ並の傷を負った人とは仲良くなれると思う。

ドラえもんの映画は、どれも伏線の回収がとても綺麗で素晴らしい。秘密道具をそこに絡めているところも見所である。大魔境や宇宙小戦争のラストの逆転は鳥肌が立ったね。

今またドラえもんの映画を見返してみて思うのは、ラストの見どころからエンドロールまでの流れが早すぎるということだ。3分くらいで畳んじゃってることもあってビビる。こんなにテンポのよい映画だったのかと感動すら覚える。

わりと最近のドラえもんで言えば、カチコチ大冒険は面白かった。嫁氏がいたく気に入って何度も見ている。作画のダイナミックさに驚いて、最後までスッと見てしまえる魅力があるのでおすすめである。

余談だが、自分のドラえもんアイコンは10年前くらいにWindows PCで仕事をしていた頃にペイントでかいたものである。当時Facebookに登録する際、まだ顔出しをする文化がなかったので適当にその場でかいたのだった。まさかこんなに使うことになるとは。そのうち1年くらいかけてだんだんと同系色の抽象画にしていきたいものである。

目標設定とは何か

目標設定むずかしいよね。正直嫌いとか意味がわからんと言う人も多いと思う。自分は適切な目標設定は必要なものだという腹落ちはしてるんだけど、なぜむずかしいかとかはうまく説明できなかった。

そんな時に EM.FM Re8. 本当に意味のある目標設定MBOの歴史から色々と話していてさすがだなー面白いなーと思ったので、自分もそもそも目標管理とは何なのかチョット調べてみることにした。

学術的にきちんと学べたわけではないので少しこわい部分もあるけれど、こういうのは誰かのためになるかもしれないし書いてみる。もし間違いや補足があれば教えてもらえると嬉しい。

目標管理の起源

  • 目標管理の起源は欧米の研究者の中ではよく論じられているテーマらしい
  • 諸説あるが、アリストテレス「成功するには目的意識を持て」 と言ったのが最初という説もある
    • この起源とは関係ないが、Googleでは「効果的なチームを可能とする条件は何か」を研究した『Project Aristotle』というプロジェクトにおいて『心理的安全性』の話が出てきたりした ref

目標管理の歴史

19世紀末 : 目標管理以前の生産管理

  • 第二次産業革命を経て、管理者と労働者が明確に分かれ、生産性の議論がされ始めた
  • 労働者の 組織的怠業 に対して管理者が勘と経験で対処していた状態から、テイラーが 科学的管理法 を提唱した
    • タスクやノルマ、時間あたりの生産効率、標準化、マニュアル化といった現代の経営学の基礎となるものが示された
  • この時にはまだ目標管理という概念はないが、企業の生産性をどう上げるかという経営課題が論じられるようになった
    • 「なんだかところどころ生産性が高い工場があるから研究してみよう」みたいな状態

1950年代 : MBOの誕生

  • ドラッカーが1954年に 『Management By Objectives and Self-control (目標による管理と自己統制) 』 という手法を発表 ref
    • 現代の経営 の中には「目標を設定することによって始めて、事業は晴雨、風向き、自己に翻弄されることなく、達すべきところに達することができる」と書かれている
  • 『and Self-control』と書かれているように、 目標管理には自己統制がセットであるべき とされている
    • 要は従業員自らが自分で決めて自走できるのが大事ということ
    • 現代の経営 の中には「自己統制によって人々の仕事の達成目標はいっそう高まり、視野もそれに伴ってより広いものになる」と書かれている
  • この後、マクレガーがマズローの欲求5段階説などの心理学の要素も取り入れてモチベーション理論も考慮し、目標管理を経営哲学に発展させていった
  • この時には目標管理はあくまで経営手法のひとつとして語られている

1960年代 : 日本でMBO導入

  • 日本でも経営参加意識の向上と人材の育成という目的でMBOを導入しはじめた
  • 『組織と個人の統合』『経営目標への参画』『能力・キャリア開発』といった真の活性化を目指したものだった
  • この時には『and Self-control』というMBOの自己統制が大事という話も取り入れられていたように見える

1968年 : ロックの目標設定理論

  • 目標設定が動機づけにつながることを示した目標設定理論をエドウィン・ロックが提唱した ref
    • ハーズバーグの内発的動機づけ/外発的動機づけ、マズローの5段階欲求説の社会的欲求/承認欲求/自己実現欲求などの心理学の要素も取り入れられている
  • 動機の強さに影響を与える要素として次の4つがあり、統合的に考える必要があるとした。逆に言えばこれら4つのどれかが欠落すると目標設定が形骸化する
    • 難易度
      • 難しすぎても諦めてしまうし、簡単すぎてもやる気にならない。ちょうどよい目標が大事
    • 具体性
      • 「とにかくがんばろう」より「今月100件できるようがんばろう」のように定量かつ具体的な目標だと測定がしやすく、達成に向けた努力もしやすい
    • 受容度
      • 上司から押し付けられるのではなく、本人が受け入れていることが重要。作業として業務をこなすより、目的や意義を理解して取り組む方が高いモチベーションを維持できる
    • フィードバック
      • 進捗を見えるようにして方向性や現在地について定期的なフィードバックをでフォローすることが大事
  • この理論の考え方には、動機づけという心理学的要素も組み入れられており、OKRの思想にもつながっている

1970年代 : OKRの誕生

  • インテルCEOのアンディ・グローブが目標設定フレームワークとしてOKR (Objectives and Key Results) を作った ref
  • HIGH OUTPUT MANAGEMENTでは、MBOの問題として『目先の目標を意識しすぎて目的を見失い作業化してしまう』という側面があるとしている。アンディはこれを防ぐために次の2つの質問に答えられるべきだとした ref
    • 自分がどこへ行きたいか?
    • そこへ到達するために自分のペースをどう決めるか?
  • ここからさらに重要なものだけに絞ることで本当に達成するべきことに注力できるようにしたのがOKRと言える

1982年 : デミングの14のポイント理論

  • W・エドワーズ・デミングがビジネス効率を向上させるためのマネジメントの14の原則を提示した ref
  • この中で 「数値目標を排除する。新たな手法も提供せずに生産性の向上だけをノルマとしない」 と目標管理について言及している
    • 組織システムをきちんと理解せずに目標管理の手法のみを実践すると間違った方向に進んでしまうというMBO信仰への批判とも言える
    • デミングは品質管理の研究をしていたこともあり、生産指標のみを盲信すると手段を選ばず目標達成のための行動をしだしてしまい低品質につながることを指摘した
    • ドラッカーはもともと 「経営者には全体的な視点が要求される」 と警告していた点にも触れ、目標管理の運用者の多くは方法論的にMBOを適用しこの警告を無視していると述べた

1990年代 : 日本独自の目標管理

  • バブル崩壊後、性急な成果主義の広まりとともに目標管理を達成度を測るツールとして利用する会社が増え始めた
    • 業績を上げなければいけないという状況において、「そもそも成果とは何か」という問いに対して当初から導入されていたMBOの目標と紐づけて『目標に対する達成度』だと定義していったのが始まり
    • これにより『Management By Objectives (目標による管理)』 が、『Management Of Objectives (目標の管理)』に変化した
  • もともとの生産性の向上やSelf-controlの文脈は失われ、評価指標として認識されるようになっていった。これは成果達成のためだけの目標をノルマ化して測定する日本独自の目標管理と言える
  • さらに、評価とつよく紐づけたことにより、企業の成果よりも個人の目標をいかに達成するかに目が向くようになり、達成基準を低くしたり足並みを揃えにくくなったりといった問題も起き始めた
  • このあたりから目標管理は経営手法というより人事評価手法として語られる場面が見られるようになった
    • これはデミングが警鐘を鳴らしていた悪い方向に進んでしまったと言える

2000年以降 : OKRの広まり

  • GoogleがOKRを導入して業績を上げ始め、シリコンバレーのさまざまな企業で導入が進んでいった
  • Google人事トップだったラズロ・ボックが書いた WORK RULES! が2014年に和訳されて以降、日本にも広まっていった
    • 2018年に上場したメルカリがOKRを採用していることが紹介されて認知度がさらに高まった
    • と言っても実際のところOKRが国内でめちゃくちゃ広まっているかと言えばそうでもない
  • OKRの内容については Measure What Mattersre:Workのガイド を読むこと
  • 日本独自のMBOを経て、目的や意義を理解した上で目標を捉える重要性を認識したものの、OKRだろうがそうでなかろうがどうすればうまく運用できるかという点について各社悩んで議論しているのが今

目標設定とは何か

  • 歴史を見てくると、目標設定とは 『経営手法のひとつである目標による管理のプロセスのひとつ』 であるとわかる
  • 組織目標をうまく立てると業績に対してポジティブな影響を与えると1950年代くらいから研究されている。歴史に学ぶとこれは立てた方がいいことは明白
    • 目標を立てる際にはロックの目標設定理論の『難易度』、『受容度』、『具体性』を意識する必要がある。これはOKRでも同じ
    • さらに目標の達成に向けては『フィードバック』も設計しなければならない。OKRで言えばウィンセッションなどもそう
  • 目標管理の歴史の中では、個人目標よりも組織目標にフォーカスが当たっているように見える。もともとが業績向上を目的とした経営手法として語られ始めた話だからまあそれはそうという感じ
    • 動機づけやモチベーションについての言及はあるが、個人のキャリアや自己実現と密接に紐づけて語られてはいないように思えた
    • おそらく個人目標については、デイビッド・C・マクレランドのコンピテンシー理論といった人事評価や組織論の文脈で研究が進んでいると思われる
    • おそらくこれが個人目標を立てる難しさを感じる要因のひとつ
      • 個人目標は組織目標と紐づけて考えるべきではあるものの、評価の側面も意識しなければならないというのが難しい。その2つのバランスを取るのは制度だけではなくマネージャーの『目標設定をさせる力』に依存してしまいがち
    • ここはあんまりキャッチアップできていなくて自信もないので、また人事評価の歴史を見てみるといいのかもしれない

よい目標とは何か

  • 歴史を追っていった中で考えてみると、次の2つの要素が重要だと思う
    • 個々人が意義を語れるか
      • 『皆で目標を作る方がよい』『数字目標だけに囚われすぎるのはよくない』『ムーンショットを設定するべき』みたいな話は全部これ
      • 結局なぜそれが必要なのかを自分の言葉で語れないと、やる気にならないし意義を理解してモチベーション高く取り組むこともできない
    • 個々人の日々の行動が変化するか
      • 定量的じゃないといけないのか』『決めるだけではワークしないよね』『目標多すぎるとよくない』みたいな話は全部これ
      • 明確なゴールが見えないとどう達成するかも見えず日々何をするかも決められないので定量的な方がいいという話になるかもしれないし、目標が多すぎるとフォーカスできず日々の意思決定もできないかもしれない
      • 本質的には日々取り組んだり考えたりすることが変化するかが重要
  • 結局ロックの目標設定理論で1968年に全部話されている内容ではある。よくまとまっててすごい

Appendix

HUNTER×HUNTER×OKR

最近zatsuを書いてなかったので、「理想のOKRとは何か」をハンターハンターを例にして書く。必要な前提知識は8巻にある。

高いObjectiveの設定とは何か

クロロ「全部だ」「地下競売のお宝 丸ごとかっさらう」
8巻 P152~153

これが高いObjectiveの設定である。

戦略発表前にはメンバーは「どこ狙うと思う?あたしは古書全般だと思う。団長本好きだし」「違うね。きとゲームね」などと色々な予想をしていたが、それをはるかに超えた目標を掲げている。そう 「全部盗む」である。

OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法では、『Objectiveは達成確率が60〜70%程度になるくらいの高い目標を設定せよ』とあるが、このクロロのセリフはまさにそれだと言っていい。

合意のプロセスとは何か

OKRの運用において一番大事なのは、所属するメンバーとそのObjectiveについて話して納得できることである。納得して合意した状態を作れれば、もはやOKRは半分成功していると言ってもいい。

ではここで、 8巻 P153 でクロロがObjective (地下競売のお宝 丸ごとかっさらう) を発表した時のメンバーの顔を見てみよう。12人全員がよくわからないといった顔をしているのが見てとれる。

この状況から焦った様子で質問しだしたのは、そう、ウボォーギンである。

ウボォー「本気かよ団長。地下の競売は世界中のヤクザが協定を組んで仕切ってる」「手ェ出したら世の中の筋モン全部的にまわすことになるんだぜ!! 団長!!」
8巻 P154

ここで大事なのは ウボォーギンが"質問していること自体" である。これがOKRにおける合意のプロセスなのだ。この質問は他のメンバーの代弁でもある。これを皆が聞ける場で質問して対話することで、Objectiveに対する納得感が醸成されていくのである。

Objectiveに必要なワクワク感とは何か

そして一番大事なポイントとして、Objectiveはワクワクするものでなければならない。高い目標を設定するだけではOKRとは言えない。それを達成した時の状態、あるいはそれまでの道のりを想像してワクワクするかどうかが最も重要である。ワクワクしないObjectiveの設定はOKRではないと言ってもよい。

では、ここでクロロとウボォーギンのやりとりを見てみよう。

クロロ「怖いのか?」
ウボォー「うれしいんだよ...!! 命じてくれ団長 今すぐ!!」
クロロ「オレが許す」「殺せ」
8巻 P154

これだよ。これが理想のOKRである。OKRが発表された時、もちろん不確実性が高く不安はたくさんあるものの、今すぐやりたいくらいのワクワク感があるこの状態が、理想のOKRだと思う。

もちろん実際にここまでワクワクできるObjectiveを設定できることは稀ではあるが、ワクワクできるかという視点でフィードバックをして、個人目標を立てる時にも チームメンバーや自分が「今すぐ!!」というテンションになるか を考えてみるとよい。

そしてOKRを設定したあとは「おお!!」という掛け声とともに邪魔する奴を残らずなって感じでやればいいんじゃないかな。

考え方が合わないのか情報が揃っていないのか

「考え方が合わないなー」と感じた時は、相手と自分の持っている情報が揃っているかを疑ったほうがいいよね、という話を雑に書く。

たとえば「上司の理解がない」「部下の危機感が足りない」「同僚が慎重すぎる」みたいなやつ。なんでそんな考え方をするのかわからなくて憤りを感じるようなことがある。本当に考え方が合わないこともあるが、実は持っている情報量の違いによって思考結果が異なるだけで、思考回路自体に違いはなかったということも多い。

例を出してみる。プロダクトの1年後を考えてこれを絶対にやったほうがいいというボトムアップの提案が受け入れられなかったとする。

この時、実は相手は裏側で短期の売上目標を達成するために必死なのかもしれないし、ステークホルダーとのハードな交渉をしているのかもしれない。あるいは、プライベートで大変なことがあって考える余裕がないのかもしれない。逆の立場で見ると、実は提案する側はメンバーのモチベーションを考慮していて、これができないことによる組織のネガティブインパクトに危機感を持っているかもしれない。

この例だとコミュニケーションや提案をしっかりやれよという話に見えるかもしれないが、こういった「実は」「かもしれない」と表現される情報が擦り合っていないことが意外と多い。それを「考えが合わない」と勘違いしてしまったりする。

ここでいう情報というのは色々ある。過去の事例、現在の組織や事業の状況に加えて、人の感情やモチベーション、個々人の経験などもそう。そういった情報を揃えてから話すと「あーそれならたしかにね」となることもわりとある。

まあわかるけど、こういう情報揃えるのってめんどくさいし大変だよね。相手にも一理あると考えて解釈を広げて対話する必要があるので、感情のコントロールも要求される。

だからこそ、ここのコストを下げるために情報をフラットにする仕組みや対話できる文化が必要になる。しかしそれらはあくまでコストを下げる役割であり、情報を揃えるためには一定のコストを払う気持ちでいたほうがいい。相手への期待が大きいほど、そこのコストを払うことに対して憤りを感じたりするかもしれないが、まあ役職や役割による過剰な期待は持たずにやっていったほうがいいと思う。その方が自分がコントロールできて楽だしね。

にんげん、むずかしい。以上!

 

権限委譲しきれていない時に意識すべきこと

権限委譲でよくある失敗として、「権限委譲しきれていない」というのがある。気になってちょいちょい細かく口を出してしまうのだ。自分の経験だと、もともと優秀なプレイヤーだった人に多い気がする。

権限委譲する側でもされる側でも改善はできるが、どちらかといえば権限委譲する側の方がコントロールしやすいので意識するべきことを雑にまとめておきたい。

自分の集中するべきことを明確にする

  • 口を出してしまうのは、口を出す余裕があるから
  • 委譲した分何か別の集中するべきことがあるはずだが、それが明確じゃないか忘れてしまっている
  • 自分が為すべきことを明確にして、優先順位を考えるべき

期待の認識を合わせる

  • 口を出してしまうのは、期待を下回っているように感じてしまうから
  • そもそもどこまでを期待していて何を任せているのか認識を合わせた方がいい
  • デリゲーションポーカーなどで委譲の分野やレベルなどを確認するべき

情報が渡っているか確認する

  • 口を出してしまうのは、委譲した部分に関わる意思決定に不安があるから
  • 意思決定も任せたのなら、意思決定に必要な情報が行き渡る状態になっているかに気を配った方がいい
  • 必要に応じて会議体やコミュニケーションラインを一緒に見直すべき

チェックポイントを決める

  • 口を出してしまうのは、変な方向に進んでいないか不安になるから
  • 「放置しすぎ」にならないよう、確認のタイミングを最初に決めておくとよい
  • 相手を信じるだけではうまくいかないので、伴走の設計が大事

解決策ではなく懸念や課題だけを伝える

  • 口を出してしまうのは、こうした方がいいんじゃないかとヤキモキしてしまうから
  • 自分の経験や思想から解決策のアイデアを伝えてしまいがち
  • あくまで自身の懸念や課題感だけを伝えて、どうするかは委譲した相手に意思決定してもらうスタンスでいた方がいい

たぶん他にもありそうなので、酸いも甘いも噛み分けてきた方々の知見吸いたい。

委譲全般で抑えるポイントは次の記事をバイブルにするとよいと思う。

blog.shojimiyata.com

マネージャーに"キャパオーバー"はない

Sansanの@m_nishibaさんを雑談に誘ってお話ししている中で、自分がふと「ちょっとキャパオーバー気味なんですよねぇ」と口にしたところ、それはちょっと"臭う"兆候だよねという話になったので雑にまとめておきたい。

3行でまとめるとこんな感じ。

  • (一般論として) マネージャーはやることを自分で決められる裁量がある
  • キャパオーバーではなく、"優先順位を下げてやらない"判断であるべき
  • キャパオーバーという言葉が出てきたら一度立ち止まって優先順位の見直しをするとよい

たしかに~~~~。ポロッとキャパの話してしまうことがあるんだけど、本来は何をやるか/やらないか (≒キャパ) を決めるのもマネージャーの役割なので、キャパオーバーはおかしい。キャパオーバーという言葉が出てきたら、それは優先順位づけがうまくできていないサインと思う方がよい。

とはいえマネージャーはやること多すぎて自分でキャパ決めるって言ってもそんな綺麗にいかないでしょ、という意見もわかる。わかるよ。実際そうなりがちだよね。ただ、そううまくいかないとしてもキャパオーバーという言葉をよくない兆候として扱って立ち止まって責任範囲や優先順位を見直してみる、というのはわりと汎用性の高いTipsではないかと思う。要は「キャパオーバーを"優先順位を下げた"という表現で言い換えられないか」を考えてみましょうということである。

書いていて思ったけど、これ別にマネージャーに限った話ではないよね。限界はあるものではなく、自分で決めるものでござるよ。

UzabaseのPodcast『Meet UB Tech』で、キャリア、VPoE README、CTOとの役割分担、信頼と心理的安全性、採用活動の委譲などについて話しました

UzabaseのPodcast Meet UB Techに、初のゲストとして参加してきた。光栄である。

open.spotify.com

tech.uzabase.com

雑に言うと以下のような話をしている。がんばって話したので、気になったトピックがあれば聞いてみてほしい。自分の音質が悪すぎて申し訳ない!マイクも使っていたのになぜ...

  • Kyashに入社してから今までの役割の変遷
  • VPoEになった背景
  • VPoEとCTOの役割分担
  • なぜVPoE READMEを書いたのか
  • VPoE READMEを読んだ労務や人事のメンバーからも反応があった
  • VPoE READMEに込めた温度感
  • VPoEを3ヶ月やってみた時点での反省
  • 目標の立て方に関するマインドチェンジ
  • 事業成長からの逆算
  • 説明責任を最初に考えたらダメ、実行責任が先
  • 信頼と心理的安全性
  • メンバーからの「ビビりすぎ」というフィードバック
  • 採用活動の責任4分割と委譲
  • 委譲における期待の伝え方、認識合わせ
  • EMからICになった背景
  • EMとICを行き来できる制度設計(整ってない)
  • Kyashのメンバーとのキャリアの向き合い方
  • Kyash採用やってるよ!!!

ちなみにもともと自分はMeet UB Techを息子氏と散歩しながら聞いていた。毎回わりと面白いが、一番好きなのは林尚之さんがゲストで出ていた『#6 エンジニアのキャリアと組織』である。

open.spotify.com

この中で話されていた、採用活動や予算策定などのマネジメント領域を3年くらい前からメンバーで行うようにしているという話は、自分の今の委譲の方針にも影響している。

パーソナリティのイイダユカコ @becyn さんの声も聞きやすくてよい。もうひとりの赤澤 @go0517go は自分には珍しく定期的に会って近況を話す仲の友人だが、こうして仕事として絡めるのは嬉しいし収録も楽しかった。

では、次回は After Show「新海誠 ー 光の表現の変遷と俺たちの焦燥感」でお会いしましょう(嘘)Bye!