Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

何かいいことを言ってやろうとしていないか

たまに「あー今自分をよく見せることを考えて発言しちゃってるな」と自覚して恥ずかしくなることがある。

例えばミーティング中、何かを前に進めることよりも皆にオッと思われるような内容を言うことに頭を使っているみたいな。そういう時はたいてい後で恥ずかしくなってウワアァァアァ!!!となる。

状況によっては、信用を得るためにそういう振る舞いが必要になることもある。「コイツできる...」と思わせることで物事をうまく進められることも多い。自分をよく見せるために何かをすること自体が悪いわけではない。問題なのは、その振る舞いが癖になって自覚できなくなっているケースである。

「何かいいことを言ってやろう」という気持ちが先行しすぎた状況と言えるかもしれない。誰かの意見に対して「自分はもっとこう考えてる」みたいな話をとにかく出そうとしたり。インターネッツ上だとさらに厄介である。

例えば、採用候補者が期待とそぐわない返答をした話を持論とともにツイートしてしまったり、同業他社のサービスの不備をスクショ取って笑いをとったり、本来やらなくてもいいことをやってしまったりする。過度な知ったかぶりや逆張りも、根っこはこういった虚栄心からくるものなのかもしれない。

「何かいいことを言ってやろう」と思ってないか、思ってるとしたら自分をよく見せる以外に何か意味があるのかを一度立ち止まって考える癖をつけるとよいのかもしれない。考えてみた結果、自覚した上で発言するならそれは別によいと思う。自分は後で恥ずかしくなることが多いのであまりやりたくはないけれど。嗚呼、今日もまたまたいいことを言ってしまった。さらば。

自分の勉強や開発をできなくなった

最近夜や休日に自分の勉強や開発をできなくなった。

夜や休日にそんなことせずに業務時間内でやるべきでしょという意見もあると思うが、自分の場合は以前は苦もなく自然とやれていた。それが今はできていない。

理由は明確で、自分が集中できていないからである。背景には育児家事の話はもちろんあるが、時間が取れていないわけではない。

息子は睡眠エリートで毎日2~3時間昼寝をするし夜20時半には寝ている。寝ている時間に何かをすればよいのだが、手が付かない。イメージとしては、1日のMPを使い果たしている感じ。こういう感覚は育児に関係なく経験していて、集中できなくなってしまう時期はあった。

なので「育児家事で時間が取れない」というのは正確ではなくて、「自分が集中できていない」というのが正しい気がする。これは自分の考えであって、家庭にもよるとは思う。家事育児の事情は本当に家庭によって全然違う。子どもが生まれたことでアウトプットの質が上がったという人もいるくらいだ。自分からすると超人のように思えるが、これも色々事情が違うので一概に比べることはできない。

30分や1時間で終わることをやっていくとか、まず10分やっていくとかそういうやり方しかないのはわかっているのだが、できない。17時に業務を終えて飯と風呂、寝かしつけを終えて20時半になる頃にはもう電池切れでデスクに向かえない。朝起きてやろうとしても4時から5時の1時間くらいしか時間が取れないし、息子の起床時間はコントロールできないのでリズムを作りにくい。

以前はできていたことができず、自分の自分に対する期待と齟齬が出るとつらくなってくる。これを何とかするには、自分の期待を自分とすり合わせるしかない。

結果、業務時間中になんとかするしかない、それ以外は基本何もしないと割り切ることにした。何もしないのがデフォルトで、できたらめちゃくちゃ偉い。そしてそのスタンスを同僚やパートナーにも共有しておくことで気分的に楽になる。

自分が集中できないのは仕方ない。今はそういう時期なのだ。息子と妻に向き合って一緒にキャッキャウフフして過ごしていく方が今はよさそう。

抽象的な期待を自分ですり合わせるスキル

グレード評価制度において、上のグレードに行けば行くほど期待が抽象的になるよねという話を会社の同僚氏と話していた。

ICでもマネジメントでも影響を及ぼす範囲も広がり、できることも増える中で求められることも自然と多くなってくる。

そんな抽象的な期待を明確にする部分も求められているよねと同僚氏が言っていて、それはたしかにと思った。要するに、自分がどこで成果を出すべきかを自分で定義できるスキルが必要になってくるということである。

ジュニアとシニアみたいな分け方があるが、これはシニアに求められるスキルの一つかもしれない。何をやったらいいのかわからない中でもまわりを見渡して、必要なアクション (must)と自分のやりたいこと (will)とできること (can)をすり合わせて方向を決めるみたいな話である。

それはマネージャーの仕事だろと言われればその通りなんだけど、グレードが上がるとそういう抽象的な期待を自分ですり合わせるスキルも求められてくる。最終的にはマネージャーとすり合わせが必要だが、「自分はこれがしたい」「こうした方がいいと思う」「これはやりたくない」といった意見をたたき台として用意しておくとよい。自分のこれまでの経験だと、優秀な人はこのへんをうまく提案していっているような気がする。主導権を握っているみたいなイメージである。

これを丸投げと捉えられるか委譲と捉えられるかはコミュニケーション次第かもしれない。グレード評価制度において期待値を明確にしておく必要はもちろんあるが、グレードが上がるとある程度抽象的な表現になってしまうのでその部分を具体化するのは自分自身の責務だと思っておいた方がいい。

組織のグレード評価だけの話ではなく、こういうスキルは取引先とのやり取りでも結構重要なのではないかと思う。自分がどう動けばいいかわからない時に自分でリードして決めていける人はすごくよいなあと思った。

本人と直接話す方がよい

何かを伝えたり聞いたりする時には本人と直接話す方がよい。当たり前っちゃ当たり前なのだが、意外とうまくできていないことも多いので最近特に強く意識するようにしている。

「どうなってるか分からなくてモヤモヤする」とか「あの発言や行動ってどういう意図なんだろう」とか、内に籠もって想像だけしているとロクなことがない。直接本人と話してみると実は何の問題もなかったなんてこともある。

ただ、直接話すのは簡単なようで難しい。話す側は感情のコントロールと言語化のスキルが要求される。聞く側のスタンスも重要で、これは話す側はコントロールできない領域なのでより難易度が上がる。話す側聞く側どちらかに負荷が偏ると相手のコミュニケーション能力のせいにして余計にめんどくさいことになってしまう。組織においては、直接話して物事を解決すること自体を推奨するといった工夫が必要かもしれない。また、ある程度はスキルトレーニングもあった方がよい。

直接話せばよいことに人を介すとノイズが増えて正確じゃなくなる。時には仲介が必要なこともあるが、基本的には当事者同士で話す方がよい。

自分が何かしら相談を受けた時、「ちょっと伝えてみますね」「それとなく聞いてみます」といった感じで第三者としてボールを持ってしまうことがあった。これは今はやらないようにしていて、基本的には「できれば直接話すのがいいと思う」「直接話しにくい理由があれば解消のためにサポートはする」といった形で接して本人同士で進めてもらうように意識をしている。

まあ本人と直接話せるような関係を作っておくのが一番難しいという話ではあるのだけれど、そういう関係を作るには直接話す方がよいというニワトリタマゴのような話である。

タスクが終わったらleaveするSlackチャネル

社内アンケートや読んでおいてほしいマニュアルなどがある時、『タスクが終わったらleaveするSlackチャネル』を作って必要な人を全員入れておくと楽。同じようなことをやってる会社も多いんじゃないかと思う。

自分が所属している会社のSlackチャネル命名規則では、こういった一時的な用途で使うチャネルには tmp- prefixをつけるようにしている。

どのくらいの人が終わったかをチャネル内の人数で把握できるし、リマインドも @here メンションでできる。チャネルを切り出しているので、Zapierなどでリマインドを自動化するのも楽。

やる側としても tmp チャネルにずっと入っているのは嫌なので早めにやるモチベーションになる。

やったことがないと「うざったいんじゃないの?」と思われるかもしれないが、関係なかったらすぐleaveすればよいし、関係あったら終わらせてleaveすればよいだけなので実際にはそんなに気にならない。

労務関連などちょっと手間がかかるけれど期日までに確実にやってもらわなければいけない作業には特によいと思う。いろんな人を巻き込まないといけない場合にも向いている。

自分のマネジメントのマインドセットの変化

マネジメントの仕事を始めて1年半くらい経った。日々ハチャメチャが押し寄せてきて泣いている場合じゃなく、落ち込んだりもしたけれどわたしは元気です。

主に気持ちの持ち方みたいなところでの変化を雑に3つくらい書いておくことにする。

自分がやる必要はない

全部やろうとせず委譲するのが大事とはわかっていても、それをやっていると「俺いる意味あるんか...?」と感じることがある。側から見るといわゆる自己組織化、適切な権限委譲が行われているということになるかもしれないが、当人は焦ってしまったりする。

自分が為すべきことを明確にして、それを達成できるのであればどんな形でもよしというマインドを持っておくとよい。メンバーを信頼して任せるというのはもちろん、自分にできないことをまわりを巻き込んで達成することも必要。極端な例だと、自分の言葉でチームメンバーのモチベーションを上げられないのであれば、別の適切な人を召喚するという方法もありうる。Fearless Changeを読もう。

自分がすべてやる必要はない。そのスタンスを自分から宣言しておくとなおよい。何事も自分が選択して動いているという感覚が大事なのかもしれない。

全ての責任が自分にあるわけではないが理由は自分にある

日々起こることすべてが自分の責任と感じてつらくなることがある。あれも想定しておくべきだった、これも手を打てていなかったみたいなことがめちゃくちゃ起こる。

自分ごととして捉えるのはいいんだけど、責任を感じすぎてつらくなってしまうのは自分にとってもメンバーにとってもよくない。つらそう、大変そうという雰囲気はまわりに伝播する。楽しそうにしていることが何より大事なのだ。

そのためのマインドセットとして、責任ではなく理由が自分にあると考えるようにしている。ただの言葉の違いではあるのだけれど、結果の理由として自分の行動があると思うと自分にとっては楽なのである。

期待のすり合わせが何より大事

チームで何かする時にうまく進まなかったりイライラしたりする原因のほとんどは期待のすり合わせができていないこと。期待がすりあっていない理由は「伝えていない」、「伝わっていない」のどちらかで、両方ともマネジメント側の行動で変えられる。

意外と期待を全く伝えていないことも多い。相手にどういう期待をしているか話してもいないのに、勝手にここまでやってくれるだろう、やるべきだと考えてその差分で感情的になってしまったりするわけだ。文字にすると自分が悪いことはすぐにわかるんだけれど、慣れるまではかなり意識しないとできなかった。今でもできていないことが多い。特にチームへの期待は明確に示せていないと思う。

チームの方向性を示したり、各人の役割や目標を話したりするのもすべて期待のすり合わせのため。その設計がマネジメントには求められる。


経験に学ぶ愚者か歴史に学ぶ賢者かでいうと自分は愚者なんだけど、これは学ぶの定義によるよねとも思う。日々やりきれていない部分をフォローしてくれる同僚氏、相談に乗ってくれる同僚氏には感謝している。

「何か質問や意見ありますか」の後の無言対策

オンラインのミーティングで「何か質問や意見ありますか」と聞いた後の無言がつらいんだよねという話を聞いた。わかる。自分はもはや慣れきってしまったけれど、今でもいい方法ないかなあと考えている。

いくつかやったことを書いてみる。組織によってもだいぶ違うと思うけれど、他の人の知見をめちゃくちゃ聞きたい。

最初に声を出してもらう

少しでも最初に声を出しておくと意見を言いやすいという研究があるらしい。なんとなく実感としても正しい気がしている。

ただ全員に雑談を振るというのもちょっとなあという時に自分がやっているのが「出席をとります」である。皆なつかしい気持ちになってほんわかするし、返事をするだけでもよいので楽。時間もかからない。

参加者の役割を最初に話す

どういう役割や発言を期待しているかを明確にしてあげるとそのスタンスで意見を言いやすくなる。たとえば「○○さんにはモバイルの開発工数観点でかなり現実的な意見を言ってほしいので正直にガンガン言っちゃってください」みたいな感じ。

具体例を出す

「何かありますか」と聞かれると出ないけれど、「○○の観点で不安だなーとか何でもいいですよ」などちょっと具体的に言うとその周辺の意見が出てくることがある。

「よくわからなかった内容の確認とかも歓迎です」のような感じでもハードルが下がってよいかもしれない。

名指しで聞く

全員に聞くとなかなか発言しにくいが、「○○さんこういう観点で懸念ないですか?」のように名指しすると話してくれたりする。

誰に聞くかは表情やこれまでの発言、把握している性格や役割から推測するしかない。

参加者にフォローをお願いしておく

参加者の中に視野が広かったり意見を明確に伝えてくれたりする人がいれば、「切り込んでいってほしい」「必要に応じて他の人にも意見を促すような意識でやってもらえると助かる」みたいなことを先に伝えてフォローをお願いしておくとやりやすいこともある。

意見に対して反応を返す

意見を言ってくれた時に「ありがとうございます」「いい視点ですね」「おーなるほど、たしかに」といったポジティブな反応を返すようにする。ちょっと大げさくらいがちょうどいい。詰めてしまったり変な空気にしたりすることは避けるべき。

テキストチャットを推奨する

オンラインのミーティングにおいて、テキストチャットはとても強力。マルチスレッドでミーティングを進められる。チャットで意見を出してもらえればそれがきっかけになる。ミーティングのファシリテーターはラジオパーソナリティのような振る舞いに変化してきている感覚がある。

「チャットでもいいですよ」ではなく、ミーティングの最初に「何か思ったことがあったらどんどんチャットに書いちゃってください」のように推奨するくらいの方がよい。

テキストやバーチャル背景で意思表示をしてもらう

「意見ありは1、考え中は2、特になしは3」といった具合にルールを決めて、いっせーのーせでテキストコメントを促すと全員の意見を瞬時に集められる。この例の場合、1の人がいたらそこから意見を聞いていく。その間に2の人に考えてもらうこともできる。

やったことないけれど、このやり方はバーチャル背景でも可能。「質問です」「完全に理解した」「ちょっとよくわかりません」みたいな意思表示が書いてある背景画像を用意しておいて、参加者の背景がミーティング中にコロコロ変わるみたいな感じだと面白いかもしれない。

意見を待つ時のルールを決めておく

無言がしんどいのはいつ切り上げていいのかわからないからというのが大きい。「10秒待って特になかったら次行きます」みたいな感じで先にルールを決めて宣言しておくとそれだけでつらみは減る。


自分が話さなくても参加者がどんどん話していく状態を作れるのが本当にファシリテーションのうまい人だと認識しているが、自分は無言がとにかく苦手で話しすぎてしまって後で反省することが多い。余談だが、これは嫁氏との最初のデートの時も同じだったのでここ10年くらい本質的に何も成長していないことがわかる。