Konifar's ZATSU

私はのび太の味方じゃないわ、悪の敵よ

面白さの客観視

今日は夕方くらいから、ネットで見事に燃えてる事案を遠目に見ていた。

こういうのを見ると、オッ?やってるな?と思うと同時になぜそんなことをやったのか理解に苦しむことがあった。が、最近では自分の中でこの疑問に対してある程度答えが出ている。

要は面白さに対する感覚の違いなのだ。価値観の違いと言ってもいい。「これは面白いぞ!」と思って書いた文章や取った行動が、一般的には全然面白くないどころか、むしろドン引きみたいなね。

やらかしたオッサンの下ネタをイメージするとわかりやすい。ネット上で燃える火種のいくつかは、美しさのない下ネタと似ている。

一般的な感覚とは何なのか、というのは難しい話だ。難しいからこそ「えぇぇぇ…なんでそんなことしちゃったの…?」というレベルの火種の投下が後を絶たないのだろう。 

自分だって何が一般的なのかはよくわからない。けれども、大事なのは答えではなくプロセスだ。「俺は面白いと思うけど、これまわりから見たらどう思われるかな…?」と一度落ち着いて考えることが重要なのだ。これは想像力の問題というよりは、想像する癖をつけるかどうかという話だ。

想像というか、これだけ炎上のケーススタディが溢れるこの世の中においては、もはやただの分析と言ってもいい。傾向と対策に過ぎない。

いちいちそんなことしてられるか!俺は俺の好きなようにやる!って人もいるかもしれない。勢いが大事ってこともある。わかる。

わかるんだけどねぇ、そういう人はなんというか、我が道を行くというより思慮深さに欠けるように見えちゃうことが多いんだよ。で、ネットってのは得てしてそういうのに厳しいじゃないですか。だからできればちょっとは落ち着いて想像したほうがいいと俺は思うぞ。まぁ知らんけど。

あとキャラも重要。人のキャラは実績によって形成されるので、他の人がやってウケたことで燃え散らかしてもそれは力量の問題なので甘んじて受け入れるしかない。

まぁ雑に書いてきたけど結局何が言いたいかというと、自分が面白いと思ったことを客観視する癖をつけような!ってことだ。難しかったら具体的な人物を思い浮かべるといいかもしれない。例えば、自分の子どもに見せられる姿かどうかとかね。

 

以上。

 

なんか既視感あるなと思ったら前に似たようなことを真面目な方に書いてた

http://konifar.hatenablog.com/entry/2015/07/12/193906

 

松亭での会話を雑にまとめてみる #3

最近の松亭飲みは音源を@kgmyshinさんが編集して雑に公開するというスタイルだったのだけれど、今日は録音しようとしたらレコーダーが電池切れだった。

なので、今回はまた自分が雑にまとめてみる。ちなみに今回は個人でWebサービスを作りまくっているT.Watanabe氏も来ていて非常に新鮮であった。

コード自動生成

「最近コードの自動生成ばっかり作ってる」
「1000行のスクリプトで8000行生成したんでしたっけ?」
「ですです。yamlファイルからscalaのコードが作られます」
「モデルとテストらへんですか?」
「ですね。iOSとAndroidも同じように生成できるので結構よかった」
「bulk generateだ」

エルザ

「その自動生成ツールの名前結構迷ったんですよね。1時間くらい」
「何にしたんですか?」
「結局(リゼロの)『エルザ』にしました」
「マジすか。terminalに elsa generate とか打つんですか?」
「まぁそうなりますね」

頭文字

「でもたぶん『エルザ』のこと誰もわからないんですよね」
「いっそ後付けで頭文字で意味つけちゃうとか。Elasticなんとかみたいな」
「あ、それいいですね」

デスノートとみゆきち

「デスノート見に行ったんですよ。みゆきちが死神の声やってるので」
「お、どうでした?」
「みゆきちよかったですねぇ。けどもはや死神ではなくただのみゆきちでした」
「いいっすね」

受託開発のつらみ

「受託開発はいい時と悪い時の差が激しいんですよねぇ」
「お、そうなんですか?」
「ウォーターフォールでやるって言ってたのにテスト期間中に仕様変わったりしますからね」
「ウォーターフォールとは」

アドベントカレンダー

「そろそろSHIROBAKOアドベントカレンダー書いていかなきゃ」
「総集編はもういやだ」
「リゼロアドベントカレンダーはどんな感じです?」
「どうせみんなレムでしょ?」
「でしょうね」

eiryuアドベントカレンダー

「あれ、eiryuアドベントカレンダーってのがあるんだけど」
「全部eiryuじゃん!自分のこと好きすぎだろ!」
「eiryuさんって誰です?」
「リクルートオフィスを白ジャージで歩いてるおじさん」
「ヤバそう」

サイコロ給

「サイコロで出た目で給料変わるんですよね?」
「ですね。出た目%上乗せです」
「おぉ、6%上がったらまぁまぁ嬉しいですね」
「以前0か100かくらいのギャンブルみたいな試みをやったこともあったらしいんですけどね」
「青天井だ」
「カイジじゃん」

肉のハナマサ

「仕事で疲れた時に肉のハナマサに行ってリフレッシュしてる」
「あ、会社の近くにありますよね」
「業務スーパーってワクワクしませんか?」
「わかる」
「今度一緒にハナマサまで散歩行きましょう」

筋肉と圧倒的余裕

「元柔道世界チャンピオンのエンジニアやばそう」
「いや、自分あんなに優しい人見たことないですよ」
「本当いい人ですよねぇ」
「やっぱり『いざとなれば全員殺せる』っていう気持ちの圧倒的余裕があるからでしょうね」

金か筋力

「ぶっちゃけ金か筋力があるかどうかで余裕持てるか決まりますよね」
「わかる」
「仕事しなくていいくらいの金が毎月入ってきたら、仕事でキレたりしないですよね」
「わかる」

日本女子大の売店

「日本女子大の売店すごい豪華っていう印象ある」
「お、行ったことあるんですか?」
「いや、ないです」
「???」

強気

「(仕事が)終わりませんでしたとか言った記憶がない」
「つよい…!」
「もしかしたら記憶を無くしているだけかもしれない」
「たしかに嘘は言ってない」

福岡は都会

「福岡ではスーパー24時間やってる」
「東京住み始めた時、スーパーが24時間営業じゃなくて田舎かよって思った」
「福岡すごい!」
「福岡は2008年から地下鉄にも電波通ってましたよ」
「マジですか、福岡すごい!」
「東京でメトロ乗った時、電波なくて田舎かよってブチ切れた」

カスタマーサポート

「PayPalのCSめちゃくちゃよかった。惚れた」
「そんなによかったんですか?」
「電話つながるまで10分くらいかかってイライラMAXだったのに覆った」
「CSすごい」

信頼関係

「信頼関係を大事にしない人苦手なんですよねぇ」
「わかる」
「もうブッ殺したくなる」
「過激だ」

スクストの資料

「スクストの資料ヤバい」
「車輪の再発明なんですけど、突き抜けてるからすごいとしか言えないですね」
「もはやウィザード級エンジニア。資料読むだけで尊敬できるって初めてだった」
「Androidアプリ5〜600KBくらいしかないのヤバすぎる」
「2週間に1度くらい見てやる気出してる」

ソムリエ

「野菜ソムリエの資格、一番下のやつでも14万かかる」
「マジですか」
「ソムリエの資格作れば儲かるかもしれない」
「きのこソムリエとか」
「なんか下ネタっぽい」
「やめましょ?」

飯屋でのルーティーン

なんだか疲れたのでクソどうでもいいことを書いておきたい。

先日嫁氏に指摘されて気づいたのだけれど、自分は何度も行く飯屋で常に同じメニューを頼む傾向がある。 自分のベストを見極めたら基本的にはそれに従うようにしているということらしい。

例えば、松屋ではミニ牛丼のつゆだくに生卵トッピングでカルビソースと唐辛子を適量かける。 マクドナルドでは、ダブルチーズバーガーのセットで固定されている。 サブウェイでは、生ハムマスカルポーネをハニーオーツトーストで野菜全部多めで頼んでいる。

どれも最初から決まっていたわけではなく、全て色々試した結果これがベストだと帰着したものを食している。特にラーメン屋では顕著だ。

天下一品ではこってり+明太ご飯だし、家系ラーメンはほぼ必ず海苔トッピングを追加する。

一風堂では赤丸バリカタ、一蘭では固め濃いめ白ネギこってりでオスカランの酸味と塩ゆで卵を頼む。

ぶぶかでは生卵を追加し酢を2周、ラー油を3周入れる。酢とラー油のバランスは油そばによって異なるので難しいところだ。マヨネーズは何度か試した結果、自分には合わないことがわかっている。

二郎は店舗によって違うのだけれど、麺固めなのは変わらない。池袋二郎では豚の全マシで、神保町では生卵をつけてすき焼きスタイルで食す。新橋二郎にも生卵はあるが、海苔とふりかけのようなものが入っておりあまり好きではないのでつけない。

二郎インスパイア系のジロリアンでは全マシにはしていない。脂がちょっとキツイので豚ヤサイニンニクにしてカラメは席にあるので適当に追加するようにしている。

飯屋だけではなく、居酒屋でもだいたい同じメニューに収束していく。

以前、マーク・ザッカーバーグやジョブズがいつも同じ服を着ている理由を判断の回数を減らすためだという話を聞いて「いやそんなわけないだろ後づけだろ」と思っていたのだけれど、自分の飯屋でのルーティーンもたぶん同じような感覚なのだとすればわからなくはないなと思った。

WEB+DB Pressの思い出

WEB+DB vol95に『Androidアプリの国際化』という記事を書いた。

で、Facebookに「書いたぞ」とポストしたら新卒の時の上司からいいねがついた。その瞬間に、WEB+DB Pressを初めて知った時のことを思い出した。

新卒の時の自分はコードを書いたことがない素人で、ヒィヒィ言いながらJavaのキャッチアップをしていた。

当時マネージャーだったその上司は、お世辞にもマネジメントが上手とは言えない人だったのだけれど、部署の中でも技術力はずば抜けていて皆に信頼されていた。その人は自分のタスクマネジメントも少し苦手だったようで、週に3〜4日くらいは会社に泊まっていて、自分が朝8時くらいに出社したら「こにふぁー、おはよう」、「おはようございます」と挨拶を交わしながら両拳をこつんと合わせるのが日常となっていた。

ある日、自分が出社すると珍しくその上司がすでに起きていて、椅子にもたれて雑誌を読んでいた。

「おはようございます」

「お、おはよう」

といつものように両拳を合わせてから

「それ何ですか?」

「ん?WEB+DB Pressっていう技術雑誌」

「DBの本なんですか?」

「いや、色々だね」

「へえ、面白いんですか?」

「うーん、まぁ面白いよ」

「なるほど、自分には難しそうですね」

「いやぁ、自分もわからないこと多いよ」

「マジですか、上司さんにもそんなことがあるんですか」

「こういうのは普段から読んでおくのが大事なんだよ。浅く知っておくといつか役に立つことがあるから」

「なるほど」

みたいな何気ない会話をした。これがWEB+DB Pressを認識した最初の思い出だったことを思い出した。

それから何年か経って、自分がその時の雑誌に記事を書いていて、当時の上司からリアクションがあったという事実に気づいてすごくしみじみした。


Facebookにポストしたら、自分が社会人3年目くらいの時に新卒研修担当した後輩が感慨深いことを言っていたので追記。

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朝早く起きるためにやったらいいかもしれないこと

完全に朝型人間になっている。

もともと朝型だったんだけど、最近はすごい調子がよくて、何もなくても朝4〜6時に起きてる。で、朝飯食ってジムに行ったりそのまま出社したりして、夜も早く帰れていていいリズムを作れている。

こういう話をすると、いつも聞かれるのは「なぜ朝起きれるのか」ということだ。これは体質と言ってもいいかもしれないが、自分は目覚ましも何もなくても起きれる。なのであんまり参考にならないかもしれないが、そんな自分でもこれやったらわりと朝スムーズに起きれるぞというポイントはあるので、走り書きしておこうと思う。

わかっていると思うけど、これは全員に効くとは限らない。ソースもめんどくさいから探さないので、効かなかったとしても頼むから怒らないでほしい。

寝室にスマホを持ち込まない

夜ディスプレイを持ち込むとよくないという話を聞いて、寝室ではスマホを持っていかず本や漫画だけ読むようにした。半信半疑だったけど、たしかに体力の回復具合から察するに睡眠の質がよくなった気がする。

出社前の準備をしておく

持っていくもの、着ていくもの、朝食などなど全て用意しておくと朝頭を使わずに済むので楽。スープとか作っておくとよりよい。

寝る前に朝やることを決める

朝起きてすぐにやることを決めておくと楽。自分は1日のタスクをできるかぎり細かく書き出してから寝るようにしている。翌日朝からやったら昼くらいに終わりそうだなと思うと、朝起きる気になる。

朝起きたら速攻で目薬をさす

朝起きたとき眠いのは、実は本当に眠いわけじゃなく眼が乾いているから脳が眠いと錯覚するという話を聞いて、マジかよそんなわけないだろと思ってやってみたら存外よかった。

朝日を浴びる

4時とかだと朝日も登ってないのだけど、とにかく光を浴びるとわりと目が覚める。

とにかく家を出る

さすがにベッドに戻ったら寝るので、起きたかったら速攻で家を出た方がいい。朝起きてまず散歩することを日課にしたらなかなかよかった。今はジムだけど。

18時くらいには帰る

18時くらいには帰るリズムを作っておくと楽。まぁこれは働き方によるだろうけど。


今のところ問題ないけど、ふとしたきっかけですげえリズム崩れたりするので注意したい。 ちなみに自分がよくリズム崩す要因は、徹夜と旅行で、特に徹夜は自分の力を過信してやってしまいがちなので気をつけるぞ。

Androidの設計と取捨選択

楽に開発するためにAndroid全体の設計をしたいという思いは、わりとどの開発者も持っている気持ちだと思う。

設計というのは昔から色々揉まれてきて、今はMVPだMVVMだ、DDDだと盛り上がっている。

そもそも、Androidというフレームワークに限定された環境で、わりとよくある実装が多い中で、未だにこれだけたくさんの人が困っているという状態がおかしい。おかしすぎる。そろそろAndroidでこういうの作りたいならこう作るでしょ、みたいなベストプラクティスが確立しているべきじゃないのかという気がする。

あくまで個人的にはだけれども、DataBindingが主流になるのであれば双方向バインディングを使ったMVVMが一番しっくり来る。ただ、MVVMだとViewModelが太ってきてどうすんのみたいなことになるかもしれない。また、通信やキャッシュ部分は別のクラスにわけようとかそういう指針はどちらにしろ必要になる。そのへんまでよくある設計に沿って実装したくなった時にDDDを知ると、なんかDomainの概念とかUsecaseとかRepositoryよさそうと思ってのめり込んでいくかもしれない。

DDDはもちろん悪くない。一般化された役割のクラスに分けておけば、新しく入った人もキャッチアップしやすいし、自分も昔のコードを追いやすい。だけど、DDDというのはいわばめちゃくちゃ複雑なソフトウェアに対する解を体系化したもので、もう色んなケースを想定して作られている。そのため、DDDを実際に適用しはじめてもやっと感じがちなのが「こんな簡単なことやるのにこんなにめんどいことやらないかんの?」ということだ。

これはごもっともな感情で、もういっそActivityに全部書いちゃえばええやろと思うような画面もあったりする。要は、様々なケースを想定した設計を適用しようとした時、その設計が本来Too muchな場所に対してどう判断するのか、という話。例えばそれを例外と捉えてざっと書くというのも1つ。だが、その場合どういう時は設計に準じてどういう時は外れてOKなのかという指針がないと、実装時に考えることが増えてしまう。

設計自体を緩めて、複雑な画面をイレギュラーとして扱うというのも1つ。ただし、その場合も同じようにイレギュラーとはどういうものかという指針が必要になる。

設計を適用するメリットは、将来考えることを減らすことにある。どう作るかの指針が明確で、例外なく全てがそれに準じているのが理想だ。例外が出てきたとしても、例外となる条件が明確になっていれば、新しい機能を作る時に迷う必要がない。迷わなければ実装も速くなるし、ミスも減る。レビューもしやすくいいことづくめである。

Android開発では、できることがたくさんある。そのぶん、設計に組み込む想定を広げておく必要がある。想定を広げれば、Too muchな設計に感じる箇所も増えてくる。それは当たり前のことだ。

個人的には、これは複雑すぎると思った部分は一度削って突き進んで見るといいと思う。例えばDDDで言えば、UsecaseいらんやろRepository直接いじればいいじゃんみたいな時。やってみると、どういうケースを想定して作られた概念だったかわかるときが来る。わからなければ、本当に必要なかったのかもしれない。

いまAndroidの設計の話はネット上にあふれている。けれども、どんな設計でも非同期、キャッシュ、状態管理あたりの指針が決まってればそんなに大変なことにはならないし、実装スピードもそんなに変わらないよなぁと思っている。要は肝心なところだけ指針が揃えてあったらなんでもいい。もちろんこれはAndroidに関して言えば、だけれども。MVVMとかMVPとかいったん忘れてフレームワークのめんどくささに対抗するために工夫してみたら、いつの間にかあれ?これってつまりViewModelでMVVMじゃね?みたいな形に落ち着くと思うし、きっとそれが一番そのプロジェクトに合っているのだと思う。

設計に沿ってクラスたくさん作ることでメモリ食ったりインスタンス生成するコストかかるのが嫌だという人もいると思う。それはそのとおりで、メンテナンスコストとのトレードオフなので難しい。設計を選択する難しさは、アプリの種類やチームの状態によって、様々なこういうジャッジにあるのかもしれない。

色々がーっと吐き出してきたが、バシッと設計がうまくハマった時は最高に気持ちがいいし、ハマる人がハマる気持ちはわかる。ただ設計はもうなんというか、ある程度解のパターンがある中の取捨選択の話であって、パターン自体はGitHubにたくさん上がっているし、わりとお腹いっぱい感ある。取捨選択自体は結局ポリシーの話だからみんな違ってみんないい話だし。

既存のプロジェクトをある設計に揃えることに決めた時にどうしたかという辛そうな話ききたい。作り直すというジャッジだったのかとかパッケージを切って少しずつ移動させていった、とか、途中で例外ケースが出てきた時にどう判断してどうしたかとか、ドキュメントは最初にそろえたかとか、メンバーにアサインするときの進め方とか、初期のレビューのつらみとか、そういう話をね、涙を流しながら聞いてさ、みんなで最高だね最高だねって言って最大限の誠意と感謝を持って労いたい。

ということで、どなたかDroidKaigiでよろしくおねがいします

droidkaigi.github.io

君の名は。何度か見てきた

最高だった。あんまり考察とかしすぎるのは野暮なので好きじゃないんだけど、 なんというか、どこかに吐き出さないと辛いみたいなよくわからん感情があるので雑に書いておくことにする。

四葉最高

一番好きなのは四葉かもしれない。何が好きかはわからないけど「(口噛み酒)きっと売れるわ」とか「はよ来ない!」とか「いよいよヤバいわ…」とかなんだか心地よい音程の声なんだよな。 自分は結構声からキャラを好きになることが多い気がする。

あと、高校生になった四葉は完全に正義だった。

フェティシズム

言の葉の庭でいう足みたいなシーンの描写が何箇所か入っていた。さすがわかっているという感じだった。

三葉の口噛み酒のシーン、奥寺先輩の浴衣がはだけた時の黒ブラチラ見えシーン、瀧くん三葉のノーブラバスケシーン、いろいろぐっとくるものがあった。

わからないのは、瀧くん三葉が自転車立ちこぎしてる時のパンチラと、ラストで役場に向かって走る三葉のパンチラ。これは監督のフェティシズムとは思えない。川村さんと話して入れることに決めたのだろうか。

司の恋

帰り道、嫁氏に「司、奥寺先輩好きだよね?司はクールぶってるけどたぶん心中穏やかじゃないよ」という話をしたら 「えー司のアレは友情でしょ。そうあってほしい」的なことを言われた。

いや、自分もそう思ってたんだけど、奥寺先輩が「好きだったんだ…」って言ったあとの司の顔ちゃんと見た?あんな顔するのは恋以外ないぞという激論を交わした結果、 司は瀧くんが好きだったんじゃねえ?という沼オチで幕を閉じた。

奥寺先輩の口紅

奥寺先輩、あの絵で口紅つけてるの地味にすごい。何かで読んだけど、口紅をアニメキャラにつけるというのは口まわりをちゃんと立体として捉える必要が出てくるので 難易度が上がる。ちょっとしたバランスでケバくなったり唇お化けになったりする。 口紅をつけたキャラをあんなにバランスよく描けるのは、やはり安藤さんのすごさなのだろうか。

奥寺先輩と瀧くん

奥寺先輩と瀧くん、5年の間に何があったんだよ。親戚のおばちゃんじゃないんだし、何もないのに社会人になって突然会いに来たりしないでしょ。 俺なんて大学卒業してから後輩に会ったの2、3回しかねえよ。

このへんは小説で語られるかなぁと思ったけど何もなかった。小説では明示的に結婚の話が語られた程度だった。 小説ではanother sideでも特に触れられていなかった。

あんまり妄想するのは不毛だけど、「君もちゃんと幸せになりなさい」って何があったんだよ君たちという気持ちが宙ぶらりんになってしまって辛い。 まぁこの辛さは秒速5センチメートルの10000分の1くらいなので放置しておくことにする。

奥寺先輩の理不尽さ

奥寺先輩で思い出したんだけど、先輩のデート時の対応、あれはひどすぎるぞ。「なんだか別人みたいね」って、それ言う?!デート中に?! 高校生の時にあんなこと言われたらマジでトラウマになりかねんぞ。合コンでつまんない男が出てきた時の戦略じゃないんだぞ。デートだぞ。完全につらかった。

テッシー最高

一番好きなのは四葉だけど、テッシーが一番感情移入しやすかった。 爆発とか思い切りよすぎだろとか思ってたんだけど、another sideを読むと心境がわかってテッシーの表情の1つ1つに目が離せなくなったよね。

そういや嫁氏はテッシーは三葉に片思いしてたと言ってたんだけど、俺はそれは違うと思いたい。

好意は抱いているけど、それは恋心というよりも、あの町に根を張った親を持つ者同士のしがらみに対する「わかる」という親近感の方が強いのではなかろうか。 恋というよりは仲間意識に近い。とはいえ、たしかに「知るか!それはお前が始めたことや!」のあたりを見ると恋心に見えなくもないので何とも言えないところだけど。

テッシーと三葉の関係もそうだけど、瀧くんと司たちも「俺たち親友!ズッ友!」みたいな関係じゃなくて、本当に仲のいいほどよい距離感がうまいこと表現されてる感じがあって最高だった。

悠木碧の安定感

悠木碧の安定感パない。今まどかと同じ声と言っても信じない人多いと思う。

特に放送の声がヤバい。声が緊張で微妙に震えてる感じが出てて、ウワァとなった。

ユキちゃん先生

ユキちゃんせんせえええええええええええええええええ!!!!!

息づかいと間

総じて息づかいで鳥肌たつことが多かった。RADWINPSの歌も、最初の夢灯籠の始まりもブレスから入っている。 あれは監督の指示で「洋二郎さんのブレスから始めたい」という話があったらしい。最高かよ。

新海誠監督の作品はいつも独特の息づかいと間を持っていて、それは神木隆之介さんも意識していたらしい。さすが秒速を30回以上見て練習していた人だ。 例えば、飛騨に向かう電車の中で「コイツ出会い系で〜」と司に茶化された時に瀧くんが「ちげーよ!」と大きな声を出すシーンがある。 このシーンは「ちげーよ!」なのか「ちっげーよ!」なのか監督と話して決めたらしい。

間といえば、かたわれ時で2人が出会った直後、瀧くんが瀧くんとして話す直前に完全に映像が止まるシーンが1秒弱あるんだけど、ネットで動画見てる時に止まることに慣れてしまったせいか「あれ?」と戸惑うことが多かった。

扉を閉じる表現

窓や障子、電車のドアの閉じる表現が多かった。 こういうシーンがあることで場面の区切りがわかりやすくテンポもよかった気がする。

糸守の湖が映るシーンでは鳶の鳴き声がよく響いていた。最初は綺麗な自然とあいまって美しさが際立ったのだけど、 瀧くんが糸守に着いた時に凄惨な現場で鳴く鳶の声は寂しさを増幅している感じがした。

同じ鳴き声でも風景が違うだけで全然感じ方が違うのだなと思った。

人生の基本でしょう?!

三葉の「人生の基本でしょう?!」が好きすぎる。なんというか、あの裏返りそうな泣き出しそうな絶妙な声が最高。 「男子の視線!スカート注意!人生の基本でしょう?!」の最強の三点拍子は無限に聞いていたい。

コードレビューなんかで積極的に使っていきたいフレーズである。

予告映像とのギャップが少ない

予告映像と本編のギャップがこんなに少ない作品は珍しいと思う。 だいたい予告映像がよすぎて本編は勢いがなくなったように見えることが多いんだけど、 君の名は。はそんなことはなく、むしろ入れ替わりのシーンでは勢いが増している感じだった。

これは絵コンテ中に音楽を作り、音楽に合わせて絵コンテを修正するというフローによる効果だったのかもしれない。

予告映像で編集が神がかっていたのは「忘れたくなかった人!」「忘れちゃダメな人!」あたりの掛け合い。あそこは最高すぎてウワァとなる。

入れ替わりの起源

入れ替わりの起源はまだよくわかってない。 宮水家の血を受け継ぐ三葉が入れ替わりをするというのはまぁわかる。another sideでは四葉も入れ替わりしてるし。 けどなぜ相手が瀧くんなのかは謎である。卵が先か鶏が先かみたいな話になるけれど、逆説的に言えば三年前に瀧くんに会いに行ったからということになるのだろうか。

このへんな答えは出なくてもいいから色んな考察聞いてみたい。

まゆごろうの大火

200年前にまゆごろうの大火で書物とか何もかもが燃えて1000年の宮水の伝統の理由やご神体のルーツがわからなくなったという話があった。 しかしこれをなぜ映画の中であんなにちゃんと説明したのかわからない。一回目は組紐やりながら一葉が説明してくれるんだけど、二回目にご神体に向かう時にもっかい出てくるじゃん。 「あれ?これこんなに重要な話なのか?おれは何かとんでもない見落とししてる?」と思ったんだけど、小説読んでも理由はよくわからなかった。

監督が理由なく無駄なシーンを入れるはずがない。1時間40分に収めるために色々なシーンを泣く泣く削ってきたはずで、上映されているシーンはどれもその中で生き残ってきた精鋭なのだ。 なぜまゆごろうの大火の話が生き残ったのか、いろいろ読んで理解したい。

オーバーラップ

同じシーンをオーバーラップさせるみたいな効果が最高だった。 例えば最初のドアが閉まるシーンは最後にも出てくるし、入れ替わりのテンポのよい映像も音楽がバックで無音の映像と声が入った映像で同じのが流れる。

まったく同じではないけれど、三葉瀧くんが坂を走るシーンとデートに遅れそうな瀧くんが走るシーンが同じ場所なのはすごくぐっと来る。

方言監修

方言監修が岐阜県出身の声優さんだった。たぶんテッシーのお母さん?あれが本場なのかと思うと、次はテッシーのお母さんに集中して見ないとなという気持ちになった。


次は飲みながら雑に話した後に締めで見たい。漫喫で雑誌と映像見まくる ⇒ 松亭で雑飲み ⇒ 映画館で見て締めという最高コンボきめたい。